2014/2/28 自民国交部会/業法・入契法改正案を了承/担い手確保へ、業界の取り組み支援

【建設工業新聞 2月 28日 2面記事掲載】

自民党国土交通部会(赤澤亮正部会長)は27日、建設業法や公共工事入札契約適正化法(入契法)などを改正する法案を了承した。建設業界で適正施工とその担い手確保が課題となる中、法案では、「ダンピング対策の強化と建設工事の担い手確保」「維持更新時代に対応した適正な施工体制の確保」の両面から現行法を見直した。担い手の確保・育成では、建設業者や団体の自主的な取り組みを促進するため、国土交通相による支援の責務を明記した。国交省は法案を今国会に提出。自民党が議員立法として提出する公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)改正案との一体運用でこれらの目的の実現を目指す方針だ。

改正案では、離職者の増加や若年入職者の減少など、業界の疲弊を招いた競争激化に伴うダンピング受注や下請企業へのしわ寄せといった課題を解決するため、入札契約適正化の柱に「ダンピング防止」を追加。具体策として、公共工事の入札時に金額の内訳書を提出することを義務付け、発注者が確認するとした。こうした取り組みによって、手抜き工事や下請へのしわ寄せに歯止めを掛け、見積もり能力のない業者が最低制限価格で入札するような事態の排除、さらに談合の防止につなげる。

維持管理時代への対応として、市場拡大が見込まれる「解体工事業」を建設業の許可業種区分として新設。実務経験を積み、必要な資格を持った技術者を配置して事故を防ぎ、工事の質を確保できるようにする。業種新設に当たっては、とび・土工工事業から独立する形となるため、周知や円滑な移行へ一定期間を置き、混乱が生じないよう配慮する。維持修繕工事など小規模工事を含めた施工体制の把握を徹底する目的で、下請金額3000万円(建築一式は4500万円)以上の公共工事に義務付けている施工体制台帳の作成・提出義務について、金額要件を撤廃する。すべての元請業者に台帳を作成させることで、記載内容の確認を通じて手抜き工事や不当な中間搾取を防止する。

建設業や公共工事からの暴力団排除を徹底するため、業許可や関連した登録規制のある浄化槽法と建設リサイクル法にも暴力団排除条項を整備。受注者が暴力団員であることが判明すれば、公共発注者から許可行政庁に通報することを義務付ける。

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