2014/3/31 第3回 発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会②
2014/03/28 第3回 発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムの
あり方に関する懇談会が開催された。
前半からの続き
③地域のインフラを支える企業を確保するための入札契約制度の検討
災害対応の担い手となる企業を一定程度確保できるような、入札・契約制度について
前回に引き続き意見交換がされた。
現在国土交通省全機関において、災害協定の締結、活動実績を総合評価で加点評価
している。
検討の方向性として以下が示された。
・地域に精通するとともに、非常時には迅速かつ的確な対応ができる能力を有している
ことが、品質に一定程度寄与する工事の場合に、災害協定の締結及びそれに基づく
活動実績の加点評価を実施する。
・競争性が確保される場合は、災害協定の締結や災害活動実績の有無を入札参加要件と
することについても検討。
関東地方整備局の取り組みとして、「地域防災担い手確保型」総合評価の試行の例が
示された。
参加した委員からは以下の意見等が出された。
・維持修繕についてはいつも慣れているところのほうがやりやすい。
・その土地を知っている業者が請け負っている。遠くからきた業者の入札参加を
増やすのは良いことなのか。数を増やせばいいとは限らない。
・除雪のある地域では競争もない。成績が悪くても続けて受注するのは問題だが、
ヒアリングをするとか現地のことをよく知っていることを確かめる。
・今回の議論はもう少し広げて考える必要がある。来年度以降も踏み込んで検討する。
・災害協定締結でどうにかなるということでもない。
④修繕工事の品質を確保するための課題整理
修繕工事では設計見直しにおける「設計」「施工」の連携や、「点検」「診断」「設計」
「施工」の各段階での現地調査のための足場設置などの作業調整等、各修繕プロセス間での
密な連携や調整が必要になる。
また修繕工事では新設に比べて、多岐に渡る技術を要し、技術的難易度も高い工事が
含まれるため工事の難易度に応じた企業選定が必要となる。
各修繕プロセス間の相互の連携を図る仕組みとして4つの案が挙げられた。
案1: 設計の受注者が工事段階で関与する仕組み
・・・工事段階において当初設計者への修正設計業務の随意契約
案2: 設計を工事を一括して発注する方法
・・・設計・施工一括発注、詳細設計付き工事発注
案3: 工事の受注者が設計段階から関与する仕組み
・・・ECI方式(設計段階から施工者が関与する方式)の活用
参考: 設計者、施工者以外の第三者を活用する仕組み
・・・プロジェクトマネジメント手法の活用
技術的難易度が高い工事の発注では、高い専門性が求められる工事は「鋼橋上部工事」
「プレストレスト・コンクリート工事」とする、工事に高い難易度が求められる
場合は、同種工事実績要件として難易度が高い工事の内容を設定することを検討する。
⑤施工実態等を踏まえた維持修繕工事の適正な積算基準の設定
平成26年4月からの土木工事積算基準の主な改定ポイントが説明された。
⑥積算の合理化(施工パッケージ型積算方式の適用拡大・工事書類の簡素化 等)
施工パッケージ型積算方式は拡大適用されており、平成25年10月時点で概ね5割が
パッケージ対応している。
施工パッケージ型積算により大幅な積算の簡素化も可能となったものもある。
⑦より適正な価格等の設定
積算で使用される単価等については、取引の実例価格等を調査した結果に基づき、
標準的な単価等を設定している。
実勢の平均値や最頻値であり、この価格以下で確保している業者ばかりではない。
より適正な価格の設定にむけて以下の方向性が示された。
・実勢に基づく工事原価(直接工事費・共通仮設費・現場管理費)の設定
・一般管理費等の算定方法の見直し
・実勢価格の幅を反映した予定価格の設定
積算の合理化については、施工パッケージ適用工種の拡大、概略積算による発注方式等、
より効率化を図る方向性が示された。