2014/3/31 国交省/公共工事の積算体系見直しへ/「適正利潤」確保の視点反映

【建設工業新聞 3月 31日 1面記事掲載】

国土交通省は、公共工事の積算体系を見直す。歩掛かりや機材・労務・材料の価格、間接工事費率などを的確に把握し、実勢に合わせた工事原価の設定に引き続き取り組む一方、一般管理費等については、人材育成や企業の設備投資の必要性を踏まえて適正な利潤を確保できる算定方法を検討する。15年度から適用する積算基準に反映させることを目指し、体系の見直しを進める方針だ。

今国会で審議予定の公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の改正案では、公共工事の受注者が適正な利潤を確保できるようにすることが「発注者の責務」の一つとして明記されている。国交省は、これを踏まえて積算体系の見直しに取り組む。

一般管理費等の見直しに当たっては、保有する建設機材の修繕維持に充てる費用や、人材育成のための費用などを対象に検討を進める考えだ。下請企業に対する外注費にも利潤の視点を盛り込む。14年度に、直轄工事を受注している建設会社の財務諸表を調べ、どのような方向で見直しを進めるべきかを探る。工事原価と一般管理費等で構成する予定価格の仕組み自体も、実勢価格の「幅」を反映させたものになるよう検討する。

このほか、積算基準の設定をめぐり、発注者間の連携を一段と強化し、適切な改定・運用が困難な市町村に対する助言・支援を行う仕組みも検討。積算の合理化に役立つ施工パッケージ型積算方式の工種拡大に加え、さらなる効率化・簡素化に向けて、概略積算による発注方式など抜本的な積算作業の見直しも引き続き進める。

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