2014/5/19 国交省/社会保険未加入にペナルティー/1次下請なら元請に制裁金、8月から

【建設工業新聞 5月 19日 1面記事掲載】

国土交通省は、8月1日から直轄工事で実施する社会保険未加入業者排除策で、未加入業者に科するペナルティーの内容を決めた。1次下請が未加入だった場合、元請業者に対し、元・下請間の最終契約額の10%を制裁金として請求。最長4カ月の指名停止と工事成績評定の最大20点減点も行う。16日付で各地方整備局などに具体的な手続きを示した通知文を出した。2次以下の下請も含め施工に携わるすべての未加入業者を発注部局から建設業担当部局に通報し、加入指導も徹底する。

未加入業者排除策の対象は、下請代金総額が3000万円(建築一式は4500万円)以上となる直轄工事。元請業者については、工事案件ごとに経営事項審査(経審)で加入状況を確認し、未加入の場合は入札への参加を認めない。1次下請業者の加入状況は、元請業者が作成する施工体制台帳で確認。未加入だった場合は、元請への制裁金請求に加え、工事を発注した地方整備局の管内で2週間~4カ月を範囲とする指名停止を実施。併せて工事成績評定の減点を行う。

特殊技術が必要な工事で特定の未加入業者と下請契約を結ぶ必要があるような「特別な事情」が認められた場合は、おおむね30日以内に加入するよう指導し、それでも未加入の状態が続けば同様のペナルティーを元請業者に科する。工事に携わる2次以下の下請が未加入の場合、元請にペナルティーを課せられることはなく、建設業担当部局に事実が通報され、個別に加入指導が行われることになる。

これらの措置を8月1日以降に入札手続きを開始する直轄工事から導入するのに加え、15年度以降は、競争参加有資格者名簿に登録できる企業を社会保険加入業者に限定する。地方整備局などに出した通知と同内容を、国の他の発注機関や都道府県・政令市にも伝え、同省と同様の取り組みを要請。都道府県には市区町村への周知も依頼し、建設業界団体にも伝えた。対策の実施に当たり同省は、問い合わせ先などを明記したポスターも作製した。事務所などへの掲示を求め、社会保険への加入促進が魅力ある就労環境につながる取り組みであることを訴える。

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