2014/7/31 国交省/改正品確法の趣旨徹底へ、市町村長と幹部会談/運用指針めぐり意見交換

【建設工業新聞 7月 30日 1面記事掲載】

国土交通省は、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用指針策定に向けた市町村長との意見交換会を全国で開催する。初弾は31日の関東ブロック。毛利信二土地・建設産業局長ら本省幹部が直接出向く。公共工事の品質確保に「担い手」の確保・育成が重要なことや、施工者の「適正な利潤」の確保が発注者の責務とされたことなど改正法の趣旨を共有するのが狙いだ。法律の運用に向けて同省の幹部と市町村長が直接会談するのは珍しい。

意見交換会は地域ブロック単位で開催。出席者は、都道府県ごとに1市町村程度をその規模や地域性などを考慮して選ぶ。関東ブロックの会合には、茨城県守谷市、栃木県佐野市、群馬県高崎市、埼玉県熊谷市、千葉県栄町、神奈川県秦野市、山梨県上野原市、長野県東御市から8人の首長が出席する予定だ。

会合は2時間。国交省から改正法の趣旨を説明した上で、発注者の共通ルールとなる運用指針に対する意見を聞く。関東ブロック以降の日程は、8月6日が四国、7日が中国、8日が中部、18日が近畿、19日が北陸、22日が北海道、26日が九州・沖縄。東北は日程を調整中。会合によっては、毛利局長以外に、吉田光市建設流通政策審議官や山田邦博技術審議官らの本省幹部も参加する予定。土地・建設産業局建設業課、官房技術調査課の職員も随行する。

国交省は、地方自治体が参加する発注者協議会、地方公共工事契約業務連絡協議会(地方公契連)、ブロック監理課長等会議などで改正法の趣旨を説明。建設業界向けにも全国で順次説明会を開き、運用指針の骨子案に対する意見を聞いている。意見は年内に作成する運用指針に反映させる。市町村長との意見交換も運用指針作成に向けた活動の一つ。幹部自ら出向くことで、改正法の運用に対する「本気度」を示す機会にもする。

毛利局長は、改正公共工事品確法など「担い手3法」が審議された先の国会で、建設業界の疲弊を招いたダンピング受注を防ぐため、「安ければ良いという一部の発注者に残る意識を変えていきたい」と答弁。日刊建設工業新聞のインタビューでも「首長に直接会って意見をうかがう機会も設けたい」と話していた。

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