2014/8/27 厚労省/建設労働者1・8万人養成へ/団体・ゼネコン主導の訓練に助成

【建設工業新聞 8月 27日 1面記事掲載】

厚生労働省は、15年度からの5年間で1・8万人の建設労働者を養成する緊急の人材育成支援対策に乗りだす。型枠工や鉄筋工など不足職種を対象に、訓練生の募集から訓練の実施、就職支援までを一括して建設関連団体に委託。さらに、大手ゼネコンが協力会社を集めて中小企業事業主団体として組織化し、その団体が認定職業訓練を実施した際の経費を助成する。個別企業が実施する訓練への助成も拡充する。

同省は、これら三つの対策に計約18億円の経費を見込んでおり、15年度予算の概算要求に盛り込む。3対策は、▽建設労働者緊急育成支援対策(5年で5000人養成)=要求額約8億円▽認定職業訓練の拡充(8000人養成)=要求額約6億円▽キャリア形成促進助成金の拡充(5000人養成)=要求額約4億円。いずれも15年度からの実施を予定している。

このうち、新規事業の緊急育成支援対策は建設業団体への委託を想定。受託団体が、訓練を希望する離・転職者、新卒者などの募集から始め、型枠工や鉄筋工、とび工などの技能実習や座学を1~6カ月かけて実施。団体の会員企業などへの就職まで支援するパッケージ事業にする。事業は5年間の時限措置。訓練生の生活費以外の経費は全額、国が負担する。

委託先としては同省は建設産業専門団体連合会(建専連)などの専門工事業団体や建設業振興基金などを想定。日本建設業連合会(日建連)や全国建設業協会(全建)、大手ゼネコンなどの技術的支援も得たい考えだ。実習場所としては富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)、三田建設技能研修センター(兵庫県三田市)、ものつくり大学(埼玉県行田市)などが候補になりそうだ。

認定職業訓練の拡充策として打ち出したのは、ゼネコンの協力会社団体による広域団体認定訓練。同省は大手ゼネコンや地場大手など10社程度が主導し、実行してもらいたい考え。知事の認定を受け、従業員に訓練を実施する場合、経費の2分の1を助成する。職業訓練法人になれば建設労働者確保育成助成金から運営費や施設・設備費の助成を受けられる。キャリア形成促進助成金は従業員を対象に訓練を実施する個別の中小企業向けだが、新たに大企業や、系列企業やグループ企業が連携して行う場合も対象に加える。中小企業に対する経費助成率も引き上げる。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る