2014/9/1 国土強靱化-15年度予算概算要求に4・5兆円/木密住宅耐震化や土砂災害対策

【建設工業新聞 9月 1日 2面記事掲載】

国土強靱(きょうじん)化の施策について国土交通省など関係12府省庁がまとめた15年度予算概算要求が8月29日、明らかになった。要求総額は前年度予算比25・8%増の4兆5415億円。公共事業関係費は20・7%増の3兆7007億円となった。6月に閣議決定された国土強靱化基本計画で重点施策に位置付けられた東京の密集市街地に広がる建物の耐震化や太平洋側にある海岸堤防の整備、山地の土砂災害対策などを推進し、大規模地震や全国各地で相次ぐ豪雨災害に備える。

関係府省庁のうち、最大の3・2兆円超を要求した国交省は、自治体向けの防災・安全交付金に1兆2647億円を計上。首都直下地震対策として東京区部に広がる木造住宅密集(木密)地域にある住宅や建築物の耐震化や不燃化を促進する。南海トラフ地震対策で大津波が懸念される千葉以西の太平洋側の海岸堤防整備にも注力する。

国交省は、激甚化する豪雨災害や土砂災害に備える治水・浸水対策として、河川堤防の整備や山地の深層崩壊対策に2932億円を要求。大規模災害後の代替路線になる高規格幹線道路など未整備区間の整備には5569億円を求めた。

インフラの戦略的な維持管理・更新を進めるため、国交、厚生労働、農林水産の3省が予算を計上。国交省は4400億円を投じて主に道路橋梁、厚労省は801億円を充てて水道管の点検や補修などを進める。このほか、厚労省が介護施設、経済産業省が航路沿いにある精油所や高圧ガス設備の耐震化支援にそれぞれ予算を新規要求した。

各府省庁の要求額(いずれも国費ベース)は次の通り。▽内閣官房=1億90百万円(前年度予算比16・6%増)▽内閣府=39億23百万円(0・1%増)▽警察庁=401億11百万円(55・4%増)▽総務省=235億57百万円(43・2%増)▽法務省=118億38百万円(75・8%増)▽文科省=4006億円(188・9%増)▽厚労省=806億1百万円(215・9%増)▽農水省=5250億73百万円(17・3%増)▽経産省=270億80百万円(19・5%減)▽国交省=3兆2445億円(19・7%増)▽環境省=141億8百万円(36・7%減)▽防衛省=1699億6百万円(4・3%減)。

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