2014/9/26 品確法基本方針と入契法指針/9月30日にも閣議決定/国交省、自民部会に報告

【建設工業新聞 9月 26日 1面記事掲載】

改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の基本方針と、改正公共工事入札契約適正化法(入契法)の適正化指針が、30日にも閣議決定される見通しとなった。国土交通省は25日、両改正案の内容を自民党国土交通部会(坂井学部会長)に報告した。改正案では、ダンピング受注を防止するために、発注者として講じるべき対策を明記。併せて、発注者が予定価格を根拠なく引き下げる「歩切り」が法律違反に当たることを明確化し、その根絶を図る。

改正公共工事品確法では、受注者の適正な利潤を確保することが法の目的でもある担い手育成・確保につながると規定。基本方針では、そのためには予定価格の適正な設定が必要だとして、歩切りの禁止や、見積もり活用などを明記した。特に、歩切りの根絶は適正化指針にも盛り込み、閣議決定後に地方自治体に対する調査を行った上で、歩切りを行っている実態が判明した場合には、個別の説明を聞き、必要に応じて発注者名を公表する。ダンピング防止対策となる低入札価格調査制度や最低制限価格制度を未導入の自治体には、「導入を個別に要請することも考えている」(毛利信二国交省土地・建設産業局長)としている。

改正公共工事品確法では多様な入札契約制度の導入・活用もうたった。基本方針の改正案では、段階的選抜方式、技術提案・交渉方式、地域の社会資本の維持管理に資する方式(複数年契約、複数工事一括発注、共同受注方式)をどのようなケースに用いるかを明記。例えば、競争参加者が多数見込まれるような場合、一定の技術水準に達した参加を選抜し、その中から落札者を決める段階的選抜方式を活用するとした。社会保険に加入せず、法定福利費を負担しない建設業者が競争で有利にならないよう、公共工事から排除するとともに、加入に向けた指導を徹底することも盛り込んだ。

適正化指針の改正案でも社会保険未加入業者の排除など適切な競争参加資格の設定などによる公正な競争の促進を打ち出した。発注者の談合への関与を防止する観点から、職員への不当な働き掛けが発生しにくい入札契約手続きを導入することも盛り込んだ。基本方針、適正化指針の閣議決定後、国交省は公共工事品確法に基づく発注者共通ルールとなる運用指針を年内に決定。来年4月から運用指針に基づく発注事務をスタートさせ、改正入契法も全面施行する。

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