2014/9/29 「地方創生国会」招集へ/災害関連や中間貯蔵法案・女性活躍促進で新法

【建設工業新聞 9月 29日 1面記事掲載】

安倍晋三首相が「地方創生国会」と位置付ける臨時国会が29日召集される。政府は人口減少対策や地方活性化に向けた法案を最重要法案とし、早期成立を目指す構え。土砂災害防止法改正案、福島第1原発事故に伴う除染除去物の中間貯蔵施設整備関連法案、女性の活躍を企業に促す新法など、建設業業界に関連する法案も多く提出される予定だ。会期は11月30日までの63日間。

地方創生の実現に向けては、「まち・ひと・しごと創生法案」と活性化に取り組む自治体を支援する地域再生法改正案を提出する。創生法案は、魅力ある就業機会の創出など七つの基本理念を明記。政府が今後5年間の目標や施策を盛り込んだ総合戦略を策定し、都道府県や市町村も総合戦略の策定に努めるよう規定する。政府は法案に基づき、12月に策定する総合戦略や50年後を展望した「長期ビジョン」に地方創生の具体策を盛り込み、15年度予算編成に反映させる方針だ。

災害関連では、広島市で発生した大規模土砂災害を教訓に、土砂災害防止法を改正する。災害発生リスクが高い場所を「土砂災害警戒区域」に指定する際に実施する基礎調査の結果公表を都道府県に義務付ける。基礎調査が遅れている都道府県に対しては国が是正を要求する。

福島第1原発事故に伴い福島県内で発生した汚染土などを搬入する中間貯蔵施設の整備を進めるため提出するのは日本環境安全事業株式会社(JESCO)法の改正案。施設の運営管理に国が全額出資するJESCOを活用することに加え、建設の条件として地元に確約した30年以内の県外最終処分を法律に明記する。法律の名称も「中間貯蔵・環境安全事業株式会社法」に変更する。法案は29日に自民党に示す。

創業10年未満の中小企業を支援するため官公需法など3法を一括改正。創業間もない中小企業が政府から受注する商品やサービスを増やすため、各省ごとに目標や施策を盛り込んだ方針を定める。入札参加資格の運用弾力化や、随意契約の活用などを想定している。女性の活躍推進で厚生労働省が提出を検討しているのは、女性の採用比率や管理職比率に加え、登用目標や目標達成に向けた行動計画の開示を企業に求める新法。法案は10月上旬までに固める。このほか、自民党などが先の通常国会に議員立法で提出し、継続審議になっているカジノ解禁関連法案や、自民党の議員連盟がまとめた空き家対策の特別措置法案と無電柱化の基本法案の扱いも焦点になる。

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