2014/11/05 国交省/11月10日から監理課長等会議/品確法運用指針浸透へ、歩切り対策も

【建設工業新聞 11月 5日 1面記事掲載】

国土交通省は、都道府県の建設業行政所管部局との14年度下期ブロック監理課長等会議を、10日の関東を皮切りに12月1日の近畿まで計8地区で開く。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づき発注者共通ルールとして年内に策定する運用指針を市町村まで浸透させるための取り組みや課題、予定価格を根拠なく引き下げる「歩切り」やダンピング受注の根絶に向けた効果的な対策などを議論する。

会議では、「運用指針と今後の取り組み方向」「公共工事の円滑な施工確保対策」を検討議題に意見交換する。

運用指針をめぐっては、地域の建設業界の実態を踏まえた発注施策や傘下の市町村が取り組むべき事項について各都道府県にあらかじめ情報を集めてもらい、それを持ち寄って今後の取り組みの方向を議論。人員が不足するなどの課題を抱える市町村の発注事務の支援方策も取り上げる。

歩切りについて国交省は、総務省と近く実態調査に乗りだし、その結果を踏まえて自治体への聴取や個別発注者名の公表を通じて改善を促す考え。10月22日に自治体に通知した要請文書で、歩切りが「違法」であることをあらためて周知しており、「市町村に自分たちの問題として取り組んでもらうには、何が効果的かを話し合いたい」(土地・建設産業局建設業課)としている。同様にダンピング受注の防止に有効とされる低入札価格調査制度や最低制限価格制度を未導入の自治体への徹底方策も議論する。

円滑な施工確保対策では、各都道府県に管内の入札不調・不落の発生状況に関するデータを出してもらい、再度入札で契約に至るなどの成功事例を共有。施工量の平準化を図る対策として、地方整備局単位で実施している発注見通しの統合や債務負担行為の活用策なども話し合う。1社入札への対応状況や、くじ引きによる落札者の決定が予定価格の事前公表と事後公表で違いがあるかなども議論する。

これらの議題に加え、報告事項として▽総合的な人材確保・育成施策▽地域の建設企業への支援施策(15年度予算概算要求)▽戦略的広報の展開-などを予定している。会議の日程と開催地は、▽10日=関東(さいたま市)▽12日=北陸(富山市)▽17日=九州・沖縄(長崎市)▽18日=中国(山口市)▽20日=四国(高松市)▽21日=北海道・東北(札幌市)▽26日=中部(名古屋市)▽12月1日=近畿(大阪市)。

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