2014/11/21 日建連・中村満義会長会見/再増税先送り、公共事業への影響懸念

【建設工業新聞 11月 21日 1面記事掲載】

日本建設業連合会(日建連)の中村満義会長は20日、東京都内で記者会見し、安倍政権が消費再増税の先送りを決めたことについて、「(財政議論の中で)公共投資の削減が出てこないよう、要望活動などをしっかり行っていきたい」と述べ、今後の予算編成の動向を注視していく考えを示した。営業増益の目立った会員の4~9月期決算については、採算検討の厳格化や施工段階のコスト管理の徹底に加え、「労務、資機材価格の変動への発注者の理解が進んだ」との見方を示した。

14年度上期の会員の受注に関しては、民間工事が消費増税前の駆け込みがあった13年度との比較では14%減となったものの、12年度比では22%増となったことで「民間受注は順調に進んでいる」と指摘。公共工事の前倒し発注があっても「民間工事を圧迫しているという指摘は当たらない」と述べ、公共投資が民間投資促進の障害になっているという一部の見方をあらためて否定した。

建設技能労働者の人材確保・育成に向けて4月に改定した提言の効果については、各社の取り組みをフォローアップした上で対応を一段と強化する考えを表明。社会保険加入の徹底に向けた政府の対応が進展していることに関しては、「担い手の確保・育成には必須」と述べた。重層下請構造の見直しの必要性も強調。その上で「(社会保険加入は)マストの問題。来年もしっかり取り組みたい」と意欲を見せた。山内隆司副会長も「社会保険加入は業界を挙げて取り組まねばならない」と強調した。

土木事業の現状について宮本洋一副会長は「公共事業が前倒し発注されている。生産性の向上にさらに取り組む必要があり、来年の(発注機関との)意見交換のテーマになるだろう」との見方を示した。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る