2014/12/18 規制改革会議/地方創生へ優先項目決定/地域建設業維持で業許可基準の緩和検討

【建設工業新聞 12月 18日 1面記事掲載】

政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)で地方創生に向けた規制改革を検討するワーキング・グループは、優先的に検討する11項目を決めた。建設関連では、地域建設業の事業継承を容易にするため、建設業許可基準の見直しを検討するほか、建設技術者の不足に対応した技術者の配置要件の緩和検討などが盛り込まれた。今後、具体的な検討を始め、来年6月までに答申をまとめる。

建設業許可基準の見直しは、建設業許可を得る際、許可要件の一つとなっている「経営業務の管理責任者としての経験」が焦点となる。建設業法では、常勤役員のうち1人は、許可を受けようとする業種で経営業務の管理責任者として5年以上の経験があることなどを求めている。同会議では、地域建設業の経営陣が代替わりする際に、経験年数の要件がハードルになっているとみて、経験年数の短縮などを検討する。

技術者の配置要件の緩和は日本経団連の要望を踏まえて盛り込まれた。現在は建設工事の内容ではなく、請負金額で監理技術者などの専任配置が建設業法で義務付けられている。内容的には監理技術者を配置する必要がない工事でも、見た目の金額で配置が求められ、受注機会が失われていると経団連は主張。基準となる請負金額の引き上げや、エレベーターなど機器製作が請負金額の大半を占めている工事の取り扱い見直し、工事現場の実態に応じた複数現場の兼務許可などを要望していた。

市街地再開発事業のうち、都市計画決定と組合設立で、必要となる地権者の同意割合が異なっているため、手続きの合理化も検討する。地方ビルの空きフロアを活用しやすくするため、小規模な増築や用途変更の際、既存不適格建築物であっても建物全体を現行法規の基準に合わせなくて済むようにする遡及(そきゅう)適用の緩和なども盛り込んだ。遡及適用の緩和は経団連と奥村組が提案した。生活に密着した道路に広場の機能を持たせるため、道路占有や交通制限に関する規制緩和の可能性も探る。

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