2014/12/26 太田昭宏国交相が会見/五輪前後「命運懸けた10年」に/日本の姿世界に示す

【建設工業新聞 12月 26日 1面記事掲載】

第3次安倍内閣で再任された太田昭宏国土交通相は24日夜に記者会見した。2020年東京五輪に向けた5年とポスト五輪の5年を「日本の命運を懸けた10年」と位置付け、バリアフリー化や多言語対応などを含め安全・安心・快適に暮らせる日本の姿を世界に示せる国や都市・地域づくりに力を入れる考えを示した。国土強靱(きょうじん)化施策も一段と強化。技能労働者など将来を担う人材の確保育成や女性が活躍できる環境整備にもあらためて意欲を示した。

在任3年目に入る太田国交相は、「これまで取り組んできた成果を目に見えるような形にしたい」と強調。東日本大震災の被災地の復興が実感できるよう、国交省の総力を挙げて住宅再建、高台移転などのまちづくりを加速させる方針を表明した。

安倍晋三首相からは「耐震化加速、防災対策の強化など国土強靱化の推進」といった指示を受けたことを明らかにし、頻発する土砂災害や火山噴火、豪雪被害などを踏まえ、「新たなステージに対応した防災・減災対策に取り組む」と強調。公共事業については、「防災、減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化がメーンストリーム」とするこれまでの主張を継続した。14年度予算でもこれらの事業に重点配分したことを指摘。切迫する首都直下地震や南海トラフ巨大地震にも考慮して15年度予算の編成に当たる考えを示した。

安倍政権が最重要課題の一つに掲げる地方創生や地域の活力維持に対しては、国交省が今年7月に発表した「国土のグランドデザイン」で打ち出した「コンパクト+ネットワーク」というコンセプトを強調。各地域が個性を発揮し、周辺との連携が進むよう、現場に強い国交省の施策と組織を総動員して取り組む姿勢を示した。想定する都市・地域づくり施策として、グローバリゼーションの中での大都市の強化、近郊にある団地の医療・介護・雇用を含めた再生、人口10万~20万規模の都市のコンパクトシティー化、生活基盤としての小さな拠点づくりなどを挙げた。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る