2015/01/13 14年度補正予算案-国交省関係/公共事業費3437億円/発注平準化へゼロ国

【建設工業新聞 1月 13日 2面記事掲載】

政府は9日の臨時閣議で、総額3兆1180億円の14年度補正予算案を決定した。昨年末に決定した緊急経済対策の裏付けになる予算で、26日召集の通常国会に提出し、早期成立を目指す。国土交通省関係の国費総額は5451億円。このうち、災害復旧を含む公共事業費には、住宅市場活性化を含めて3437億円が計上された。事業費ベースでは1兆7961億円となる。

国交省は、経済対策の柱の一つである「災害復旧など災害・危機等への対応」に2703億円を充て、土砂災害や台風災害などの大規模災害からの復旧や緊急防災対応といった事業に活用する。公共事業の発注平準化措置として、ゼロ国債に2523億円を計上し、早期発注による効率的な執行を促進する。

その他の柱の「現下の経済情勢等を踏まえた生活者・事業者への支援」には2647億円を計上。高速道路料金割引を通じて物流コストを低減するため、大口・多頻度の最大割引率を40%から50%に拡充する措置を16年3月まで延長する。住宅金融支援機構のフラット35Sの金利引き下げ幅の拡大、住宅の新築・リフォーム時の省エネルギー化を推進する住宅エコポイントの実施、地域の良質な木造建築物の整備も推進する。

「地方が直面する構造的課題等への実効ある取り組みを通じた地方の活性化」には101億円を充て、人材市場の流動化や住環境の整備などに役立てる。具体的には、建設分野の外国人活用の適正化事業として、時限的に人材を受け入れる企業やこれを指導・監査する特定監理団体に対して巡回指導を実施する「制度推進事業実施機関」や外国人材管理システムを構築する。建設工事費の高騰で停滞する市街地再開発事業を支援する費用として社会資本整備総合交付金から25億円を充当する。

災害対応では、公共土木施設等の災害復旧に997億円を計上するほか、緊急防災対策として河川等に251億円、道路に392億円、国営公園に1億円、鉄道に26億円を充てる。自然災害リスクが高い箇所の緊急防災対応に防災・安全交付金から505億円を確保した。災害に強い情報・物流システム等の構築にも取り組み、港湾の防災・減災対策に58億円、空港の耐震対策等に21億円、大規模災害想定地域での地籍整備の推進にも30億円を計上。次世代社会インフラ用ロボット開発・導入に3・9億円を確保し、民間から公募したロボットを直轄現場で検証・評価する事業に充てる。

補正事業を進める上で国交省は、円滑な施工確保策として最新の労務単価の適用などによる予定価格の適正な設定や適切な規模での発注による人材の効率的活用、地域外から資材調達する際の適切な支払い、適切な工期設定、入札契約の効率化も徹底させる。

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