2015/02/06 適切な設計変更の実施と歩切りの根絶 改正品確法運用指針/国交省
国土交通省は先月30日、公共工事の品質確保の促進に関する関係省庁連絡会議を開催。
改正公共工事品質確保促進法(品確法)の運用指針を正式決定し、2月5日に
ホームページ上で公開した。
この運用指針に基づき、4月1日より発注関係事務の運用が開始される。
運用指針は大きく2つの内容を記す。
①発注関係事務の適切な実施について
②工事の性格等に応じた入契約方式の選択・活用について
発注関係事務を適切に実施するため、(1)調査及び設計、(2)工事発注準備、
(3)入札契約、(4)工事施工、(5)完成後の各段階で「必ず実施すべき事項」と
「実施に努める事項」とを提示した。(下図-1)
(2)工事発注準備には、年度内での工事量の偏りが激しい現状を踏まえ、
「発注や施工時期等の平準化」の項目を設けた。
2箇年国債の設定やゼロ国債工事の早期発注により、債務負担行為の積極的な活用を促進。
年度当初からの予算執行の徹底等の予算執行上の工夫や余白期間の設定といった
契約上の工夫などを行い、週休2日の確保などによる不稼働日を含めた適切な工期を
設定のうえ、発注・施工時期等の平準化に務めるとした。(下図-2)
同じく(2)工事発注準備に
「適正利潤の確保を可能とするための予定価格の適正な設定」の項目も設置。
適正な積算に基づく設計書金額の一部を控除して予定価格とするいわゆる
歩切りについて、公共工事の品質確保の促進に関する法律第7条第1項第1号の
規定に違反することが明記された。
さらに、(4)工事施工には「施工条件の変化等に応じた適切な設計変更」の項目を
設けた。
施工条件と実際の工事現場が一致しない等の場合、適切に設計図書の変更及び
これに伴って必要となる請負代金の額や工期の適切な変更を行うことが必須とされた。
運用指針の解説資料の巻末資料には、
「工事請負契約における設計変更ガイドライン(総合版)(26年3月)」が
掲載されており、このガイドラインは国交省ホームページから入手できる。
http://www.mlit.go.jp/tec/unyoushishin.html
入契約方式の選択・活用については、多用な入札契約方式の中から、
適切な方式を選択する際の考え方及び留意点を示した。
品質確保と担い手の中長期的な育成・確保に資する入札契約方式の活用の例として
「地域における社会資本を支える企業を確保する方式」や
「若手や女性などの技術者の登用を促す方式」など、
今日における建設業界の諸課題に対応した方式の具体的な対応例が記されている。
今後は全国各地で説明会を開催。
相談窓口も開設し、発注担当者や建設業界関係者等に運用指針の周知を徹底する。
(図1 国土交通省ホームページ http://www.mlit.go.jp/tec/unyoushishin.html より引用)
(図2 国土交通省 九州地方整備局 http://www.qsr.mlit.go.jp/ より引用)