2015/03/03 町村工事、20%の歩切りも/1次の社会保険加入は約9割に/全中建調査

【建設工業新聞 3月 2日 1面記事掲載】

全国中小建設業協会(全中建、松井守夫会長)は2月27日、人材確保・育成対策を進めるに当たって会員に行った実態調査結果の全容を明らかにした。1080社が回答。健康、厚生年金、雇用の社会保険加入率は会員会社の技術者・技能者とも94%以上(最高98%)、1次下請の技術者・技能者は80%後半に達していた。予定価格を根拠なく切り下げる歩切りは、13年度の工事の中では国関係で少なくとも2機関あり、町村の工事の中には歩切りの幅が20%に達したという回答もあった。

調査は会員約2400社に対し14年10~11月に実施した。回収率は45%。回答企業のうち、資本金1000万円以上5000万円未満が77%、従業員10~50人が59%、完成工事高1億円以上10億円未満が63%となっている。業種別内訳は土木53%、土木・建築39%。会員と1次下請の技術者・技能者の社会保険加入率について全中建は「高い結果になった」と評価している。下請には契約時に加入指導やパンフレットの配布などを行っている。

女性の技術者・技能者を雇用しているのは237社で、技術者は406人、技能者は100人。技術者は施工管理、専任技術者、現場代理人、技能者は重機オペレーター、ダンプトラック運転手、現場作業を務めており、年齢は30~50代がメーンだった。女性職員の採用予定については、510社が「ある」、515社が「ない」と答え、ほぼ半々となった。会社としての週休2日制の導入状況は、▽完全25%▽隔週41%▽月一6%▽未導入24%。導入していない理由には、技能者が日給月給であることや、繁忙期の休みが少ない年間カレンダーを運用していることなどが挙がった。定着には、工期設定、工事量の平準化が必要との意見があり、天候や職種による難しさを指摘する意見も出た。

歩切りの幅を聞いたところ、「5%まで」が国の2機関と都道府県11団体、市60団体、町村22団体、「10%まで」が都道府県5団体、市29団体、町村18団体、「15%まで」が都道府県3団体、市6団体、町村2団体、「16%以上」が市1団体(最高18%)、町村2団体(同20%)となった。下請の最大次数についての回答割合は、土木はが直営2%、1次29%、2次45%、3次21%、4次3%、建築は直営4%、1次18%、2次34%、3次32%、4次9%、5次以上3%だった。

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