2015/03/26 国交省/社保加入で下請指導指針改定/法定福利費明示、見積もり条件に

【建設工業新聞 3月 26日 2面記事掲載】

国土交通省は25日、社会保険加入に関する下請指導ガイドラインを改定した。法定福利費を内訳明示した見積書の提出を、元請企業から下請企業に対する見積もり条件として明示することを記載。その上で提出された見積書を尊重し、元・下請が対等な立場で合意に基づいた請負金額を決めることが必要だとしている。同日付で各省庁や都道府県・政令市、建設業者団体、民間発注者団体などに改定内容を周知する文書を発送した。ガイドラインの改定は、1月19日に国や業界団体、学識経験者などで組織する社会保険未加入対策推進協議会(会長・蟹澤宏剛芝浦工大教授)で、法定福利費の確保に向けた取り組みの強化を申し合わせたことを踏まえて行った。

国交省は、元請企業と下請企業が社会保険加入に向けて負うべき役割と責任を明確にしたガイドラインの内容を一段と強化することで、16年度に向けて許可業者で100%加入を目指すとした目標達成に向けた活動につなげる。改定では、社会保険に加入した下請企業や労働者だけで施工に当たるモデル現場を試行的に実施することも新たに明記。国交省は今後、ホームページを通じてモデル現場を登録してもらう。実施現場には、どのように全加入を実現できたかなどをヒアリングし、好事例として他の現場にも展開できるようにする。国交省では、社会保険加入をめぐって問い合わせの多い事項をまとめたQ&Aも作成し、年度内に第1弾をホームページで公表。今後順次内容を拡充していく。

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