2015/03/27 全建/社保加入促進へ取り組み強化/11月までに推進手引作成、地方キャラバンも

【建設工業新聞 3月 27日 1面記事掲載】

全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は、会員企業の協力会社や技能者の社会保険加入を促す取り組みを一段と強化する。傘下の都道府県建設業協会の専務・事務局長で構成する「社会保険加入促進計画推進実務者会議」(実務者会議)を設置し、26日に東京都内で初会合を開いた。12年に策定した「社会保険加入促進計画」の推進マニュアルやQ&A集を11月までに作成。地域の協会と連携して加入促進を進める「重点強化キャラバン」も行う。

全建の社会保険加入促進計画は、期間が16年度まで。残り2年の段階で、雇用保険は技能者の加入率が地域によっては9割を超えているが、大都市圏などでは6割以下にとどまる。健康保険や年金保険の加入率も足踏みしている地域がある。国は、建設業許可業者について企業単位で100%、労働者単位で製造業相当(90%)の社会保険加入率を目指しており、全建は実務者レベルの会議を設置し、対応を加速させることにした。

実務者会議は、年に複数回開催し、都道府県協会の事例などを周知する。推進マニュアルでは、加入促進計画と技能者の社会保険加入のためのポイントをあらためて整理する。Q&A集には、社会保険加入に必要な法定福利費を内訳明示した見積書を提出した企業が未加入だった場合の対応など法令・制度の内容や、担当者が直面する可能性のある事態を想定した現実的な項目を集める。重点強化キャラバンでは、全建本部の職員が地域に出向いたり、拠点に集まってもらったりし、地域の実情を考慮した効果的な加入促進方策の展開を目指す。

実務者会議の初会合は、全建の15年度事業計画・予算、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用指針への対応などを報告した「全国専務・事務局長会議」の後に開いた。専務・事務局長会議で押田彰専務理事は「社会保険加入に対する意識、処遇改善の心構えはできている。国民の期待に応える建設業界、若者が夢を託せる建設業界となるための議論を期待する」と述べた。実務者会議の冒頭、中村俊一業務執行理事は、「きめの細かい取り組みを進めたい」と抱負を述べた。会合では、屋敷次郎国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課長の講演に続き、今後の対応を確認した。

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