2015/03/30 国交省/社保未加入の1次下請、全直轄工事から排除/8月入札公告分から適用

【建設工業新聞 3月 30日 1面記事掲載】

国土交通省は8月1日から、社会保険に未加入の1次下請業者をすべての直轄工事から排除する。現在は下請金額が3000万円(建築一式は4500万円)以上の工事を対象にしているが、この金額要件を撤廃する。社会保険未加入対策を一段と強化し、17年度に建設業許可業者の加入率100%(企業単位)という目標達成を確実なものにする。発注部局が施工体制台帳によって把握した未加入業者を建設業担当部局に通報する措置も同様に対象を広げ、4月1日以降に契約する全直轄工事に拡大する。

排除措置の拡大は、8月1日以降に入札を公告する工事から。すべての直轄工事で、元請企業は社会保険未加入業者と1次下請契約を結ぶことが原則禁止となる。未加入業者と契約したことが判明した場合は、元請業者に対し、元・下請間の最終契約額の10%を制裁金として請求。さらに、指名停止措置や工事成績評定の減点も行う。国交省は下請代金総額が3000万円以上の工事を対象とした排除策を昨年8月に始めた。今年4月に施行される改正公共工事入札契約適正化法(入契法)で、元請が提出を義務付けられる施工体制台帳の対象が、従来の下請契約額3000万円以上の工事からすべての工事に広がる。これにより、台帳で未加入業者をチェックできる工事が拡大することから、排除策の強化に踏み切る。

27日付で各地方整備局の発注部局と建設業担当部局に通達を出し、排除措置の拡大を周知した。都道府県や政令市が入る地方公共工事契約制度運用連絡協議会(地方公契連)にも参考送付した。今回の拡大策は「影響を見極める」(公共工事契約指導室)ため「試行」として始めるが、対象工事は限定していない。国交省が14年度第1四半期に契約した工事のうち、下請契約金額が3000万円未満の工事347件を調査した結果、1次下請業者のうち未加入業者は2%(15社)にとどまった。元請については昨年8月から未加入業者の入札参加を認めていない。15・16年度の国の工事では、インターネットなどによる入札参加資格審査一元申請を社会保険加入者に限定。これにより、元請となる建設会社から社会保険未加入業者は完全に排除された。

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