2015/04/03 国交省/工事書類の簡素化徹底/受発注者で事前協議、紙・電子の二重納品是正

【建設工業新聞 4月 3日 1面記事掲載】

国土交通省は、港湾空港関係を除く同省直轄工事で、受注者が発注者に提出する工事関係書類の簡素化を徹底する。土木工事では、紙と電子データの両方で書類を提出する「二重納品」の解消に向けて、工事着手前に受発注者で事前協議を実施。提出する書類の種類や媒体を協議で明確にする。受注者が必要以上に書類を用意しても、完成後の工事成績評定には反映しないよう徹底する。紙での提出が多い官庁営繕工事では、事前協議で提出書類の削減に取り組む。これらの書類簡素化措置は、4月1日に入札を公告した工事から適用する。

事前協議の実施は、土木工事の場合、入札公告時に出す特記仕様書に追記する。工事関係書類の提出方法について、電子データだけでよいか、紙にも出力して提出するべきかを協議で取り決め、提出方法を変更する場合も受発注者で協議する。電子データで提出すると決まった書類については、完成検査時などに「紙での提出は行わない」とも特記仕様書に明記する。今回の措置は紙での提出量を減らし、受注者の負担を軽減するのが狙いだ。

工事書類の提出媒体については、工程表などは紙だけで、施工計画書や工事写真、出来形管理資料などは紙か電子データのいずれかで、工事完成図などは両方で納品することが2010年9月の本省通達で明確化されていた。ただ、工事成績評定を意識して、電子データだけでよいのに紙の書類も完成検査時に併せて提出する受注者が少なくないとされる。そこで、工事成績評定の基準である「地方整備局工事成績評定実施要領」に、過剰な二重納品は評価の対象外にすることを追記した。官庁営繕工事でも、現場説明書に工事関係書類に関する業務を効率化することを追記する。土木工事と同様、二重納品の排除に取り組むが、建築は紙での提出の割合が多くなるため、複数の工種を一つの書類にまとめるなど提出する書類の量の削減に向けて工事着手前に協議する。

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