2015/05/20 国交省/技術者配置の金額要件引き上げ/物価上昇・消費増税に対応

【建設工業新聞 5月 20日 1面記事掲載】

国土交通省は、監理・主任技術者の配置を求める建設工事の金額要件を引き上げる。引き上げは1994年以来となる。ここ数年の物価上昇や消費増税によって技術者の配置を求める対象工事は実質的に拡大している。引き上げによって現在より対象工事が少なくなり、技術者の効率的配置や受注機会の拡大につながりそうだ。19日に開いた建設産業活性化会議(座長・北川イッセイ副大臣)で明らかにした。金額要件を定めた政令を今秋をめどに改正する。具体的な引き上げ幅や施行時期などは今後詰める。同会議で国交省は、2級施工管理技術検定(学科試験)の受験要件緩和や、官公需適格組合の技術者配置要件の緩和を検討していることも併せて説明した。

元請と下請に監理・主任技術者の専任配置を求めているのは、公共性のある施設など重要な建設工事で、請負金額が2500万円(建築一式は5000万円)以上の工事。元請に監理技術者の配置を求める工事は下請の合計金額が3000万円(同4500万円)以上としている。94年以前は、監理・主任技術者の専任配置が1500万円(3000万円)以上、監理技術者の配置が2000万円(同)だった。技術検定の受験要件緩和は若者の入職や定着の促進が目的。秋に政令を改正し、実務経験がなくても2級の全種目で学科試験を受験できるようにする。これまでは工業高校(指定学科)の生徒に限定して認めていた。同時に学科試験を受験できる時期を前倒しし、工業高校生は3年生から2年生に、普通高校生は卒業後4年半後から高校2年生へと変更する。16年度から適用する。官公需適格組合の技術者配置要件の緩和では、建設工事を受注する組合に直接雇用が求められている配置技術者について、組合員の企業に在籍している社員が組合への出向する形も条件付きで認めるようにする。

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