2015/06/04 国交省有識者会議/解体工事技術者資格に5種選定/16年6月施行、経過措置も

【建設工業新聞 6月 4日 1面記事掲載】

国土交通省の有識者会議は、改正建設業法で新たな許可業種区分となった「解体工事業」の監理・主任技術者に付ける資格について、土木・建築の施工管理技士や技術士のほか、とび技能士、解体工事施工技士の計5資格を選んだ。一定期間以上の実務経験があれば既存資格を持たなくても主任技術者になれるようにし、現在、解体工事に従事している技術者への影響は抑えた。昨年8月から解体工事の技術者資格を検討してきた「解体工事の適正な施工に関する検討会」(座長・嘉納成男早大教授)」が中間取りまとめに明記した。一般からの意見募集を経て最終取りまとめを行う。

国交省は今秋に省令を改正し16年6月に施行するが、20年度末までの5年間は、引き続きとび・土工工事業の技術者資格でも許可を取得できる経過措置を設ける。解体工事業の技術者資格として認められる既存資格は監理技術者と主任技術者で異なる。建設リサイクル法の登録試験である解体工事施工技士は、今回初めて主任技術者の資格に位置付けられることになった。加えて、一定期間以上の実務経験があれば主任技術者として認める。実務経験の扱いも整理。現在のとび・土工工事での実務経験年数を解体工事の実務経験年数と見なす。年数は請負契約書で確認するが、新設など解体以外の工事を含んでいる場合でもその工期全体を解体工事の実務経験年数として扱う。

土木施工管理技士、建築施工管理技士、技術士を解体工事の技術者として、建設会社が21年度以降に解体工事の許可を申請する場合、その技術者は解体工事に関する講習を受ける必要がある。ただ、実務経験がある人や解体工事施工技士、とび技能士の資格を持つ人は受講は不要。現行(とび・土工工事業)でも公共工事では実務経験か、とび技能士の資格によって5割程度が主任技術者になっているという。今後の資格試験の受験者に解体工事の知識を身に付けてもらうため、今回対象となった資格の試験団体には解体工事の問題を追加してもらう。検討会は、今回選ばれた資格のほか、建設機械施工技士や建築士など11の既存資格を解体工事の資格として評価。試験の内容や実施体制などで適切かどうかを判断した。国家資格の新設について嘉納座長は3日の記者会見で「まず既存資格で対応し、新しい資格の創設は、様子を見ながら検討していく」と説明した。

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