2015/07/21 国交省/「担い手3法」浸透へ役割果たす/15年度上期監理課長会議を総括

【建設工業新聞 7月 21日 2面記事掲載】

国土交通省は、入札契約制度や建設業行政の課題を議論するため、5月25日から今月7日にかけて全国8ブロックで開いた本年度上期のブロック監理課長等会議の結果をまとめた。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)など担い手3法を市町村まで浸透させるため、会議の役割を一新。参加した都道府県と3法の着実な実施について合意を取り付け、年2回開く会議を通じて、引き続き発注者責任を果たす取り組みを確認していく流れを作った。予定価格を適正に設定することをうたった改正公共工事品確法に違反する行為と位置付けた「歩切り」撤廃に向け、会議では、都道府県が主導する形での先進的な取り組みを聴取。愛媛、石川、栃木、大分の4県内のすべての市町村で撤廃することが確認された。

ダンピング受注を防止するための低入札価格調査基準や最低制限価格について、新たに3県の市町村すべてでいずれかが設定されたことが報告された。13年9月時点で13府県下の市町村で設定されていた状況が一段と進み、未設定という「空白地帯」が埋まりつつあることが分かった。国交省は、会議を通じて確認されたこうした状況について、「担い手3法の本格運用をきっかけに必要性を感じ、都道府県の指導も受けながら導入しようという動きが見て取れた」(入札制度企画指導室)と評価している。

発注・施工時期の平準化をめぐっては、各都道府県ともに関心が高く、国交省直轄事業で始まった債務負担行為の積極活用などの取り組みを注視しながら実施するとの意向を持つ自治体が多かった。ただ、平準化の前提として、公共工事入札契約適正化法(入契法)で義務付けている発注見通しの公表を、発注件数の少なさなどを理由に実施していない市町村があった。国交省は「初心に帰って公表が進むよう取り組んでいきたい」(同)としている。国交省は、担い手3法の「推進母体」としての役割を新たに担うことになったブロック監理課長等会議を、地域発注者協議会や地方公共工事契約制度運用連絡協議会(地方公契連)など別の会議体とも連携させることが重要とみている。法律の運用をめぐる疑問・質問を受け付ける「品確法運用指針に関する相談窓口」「公共建築相談窓口」「建設業フォローアップ相談ダイヤル」も活用して課題を吸い上げ、情報共有に役立てていきたいとしている。

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