2015/09/28 近畿整備局/総合評価で新方式試行/WTO対象工事に若手技術者限定型

【建設工業新聞 9月 28日 10面記事掲載】

◇鋼上部工は女性活用型新設/総合評価の技術配点見直しも
近畿地方整備局は、建設業の担い手確保に向けた新たな総合評価方式の試行を始める。若手技術者の積極活用に向け、WTO対象工事(技術提案評価型)においても、配置予定技術者を40歳以下に限定する方式を試行する。難易度が低い一般土木工事が対象で、本年度は「紀北西道路岡野高架橋下部他工事」で試行を予定している。また、WTO対象工事の技術提案をより高く評価するため、従来30点満点だった加算点を60点満点に見直すことも決めた=図参照。施工能力評価型では、PC工事の一部で「若手チャレンジ評価型」、鋼橋上部工事の一部で「女性技術者活用型」を試行する。25日開催の総合評価委員会で承認された。

13・14年度に契約したWTO対象一般土木工事で配置された技術者の年齢構成をみると、平均年齢は46・5歳。41歳以上が81%を占めている。同局では、監理(主任)技術者として経験のない若手技術者に経験を積ませ、企業の技術者育成を促そうと、配置予定技術者の年齢を40歳以下に限定し、同種工事の施工経験を問わない新たな方式を試行することにした。総合評価は従来と同様に技術提案で評価を行う。技術提案評価型で難易度が低い切り土・盛り土を主体とする一般土木が対象になる。

WTO対象工事では技術提案評価型の配点も見直す。現状はSI型、SII型、技術向上提案付加型、現場条件重視自由提案型において30点満点で評価しているが、今後入札公告を行う案件から60点満点に変更する。

施工能力評価型では、PC工事を対象に「若手チャレンジ評価型」の試行を始める。径間数がおおむね5径間までのプレキャストセグメント桁・中空床版橋などで、鉄道や幹線道路と交差しない工事が対象。配置予定技術者は40歳以下とし、企業と配置技術者の施工能力を評価する。現場代理人や担当技術者としての従事経験も監理技術者と同等評価を行う。本年度は八鹿日高道路宿南1号橋(上り)上部工事と、同(下り)上部工事で試行を予定している。

鋼橋上部工事で試行する「女性技術者活用型」は、径間数がおおむね5径間までの鈑桁・箱桁橋で、鉄道や幹線道路と交差しない工事が対象となる。工場製作や現場施工において、監理(主任)技術者、現場代理人、担当技術者のいずれかに女性技術者1人以上の配置を求める。現場代理人の場合は全工期、担当技術者の場合は工場製作・現場施工のいずれかに係る期間のすべてに配置することを義務付ける。

一方、業務関係では低入札対策として、13年10月から試行している業務能力評価型を本格運用していくことが決まった。簡易な実施方針を求め、履行確実性を加えた技術評価を行うもの。これまで500万円以上の業務を対象に簡易公募型競争入札で原則全件、通常指名競争入札で1事務所1件程度を試行してきたが、10月1日以降は通常指名競争入札の全件に対象を拡大する。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る