2015/10/08 全建ブロック会議・関東甲信越地区/品確法運用指針徹底を/事業の安定・継続確保要望

【建設工業新聞 10月 8日 1面記事掲載】

全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は7日、国土交通省と各地で行う15年度の地域懇談会・ブロック会議を関東甲信越地区から開始した。改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用指針徹底と、事業量の安定・継続的確保をテーマに設定。各地の会合では地域ごとの課題を踏まえた討議を行う。関東甲信越地区では、「適切な工期設定」「施工時期の平準化」「幅のある予定価格」なども議題に挙がった。11月5日の九州地区まで全国9地区で実施する。

全建は、都道府県建設業協会や会員企業への調査などを踏まえてテーマを設定。予定価格の適正な設定などをうたった指針の運用開始を踏まえ、「適正利潤の確保」につながる対応を求める。会員企業の6割が受注状況が「悪い・悪くなった」と指摘。発注工事量が急減している地域も少なくないため、大型補正予算の編成を含む事業量の確保を訴える。

東京都内で開かれた関東甲信越地区の会合では、各建協の首脳が、▽公共事業予算の安定・持続的確保(新潟)▽公共工事品確法の順守徹底(山梨)▽適切な工期設定・施工時期平準化・若年者雇用と女性技術者の登用促進(茨城)▽予定価格の幅を持った設定(群馬)▽低入札価格調査基準の一般管理費等率算入率の引き上げ、上限撤廃(神奈川)▽地域建設業対象の維持管理工事の確保、指名競争入札拡大(千葉)▽小規模工事契約の改善(長野)-を求めた。

予定価格に関し、青柳剛群馬建協会長は、上限拘束性の問題を指摘。取引量や引き渡し条件などで実勢価格に幅が出ていたり、政府が物価上昇を目標としていたりする現状を踏まえ、「線であった予定価格に幅を持たせることが不調・不落対策になる。上限拘束性の緩やかな撤廃にもつながる」と主張した。

会合の冒頭、各協会で構成する関東甲信越建設業協会長会の渡邉勇雄会長は「地方建設業は公共投資の減少で厳しい経営状況が続く。適正利潤が得られ、経営基盤を安定する必要がある」と申し入れた。近藤会長は、9月の関東・東北豪雨の復旧活動に会員企業が尽力している状況を念頭に、「命を守る公共事業を着実に早期に推進することと、担い手の建設業が活力を持ち災害対応力を維持するのが重要だ」と指摘した上で、「会議の結果が早期に官民双方の取り組みに反映されることを期待する」と9地区の会合に臨むに当たっての抱負を述べた。

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