2015/10/27 全建・近藤晴貞会長/ブロック会議前半を総括/工事量の安定・継続確保を

【建設工業新聞 10月 27日 1面記事掲載】

全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)が国土交通省と全国9地区で開く15年度の地域懇談会・ブロック会議が折り返し点を迎えた。近藤会長は静岡市で23日に開かれた東海地区の会議後に記者会見し、前半の会合を総括。「各協会とも課題に積極的に取り組み、前向きな意見が出ている」と各協会の対応に謝意を示した上で、各地区の建設業協会が工事量の減少による地元業界の窮状を訴えている点を指摘。公共事業を安定的、継続的に確保するよう求めていく考えを示した。

本年度の地域懇談会・ブロック会議は今月7日の関東甲信越地区を皮切りに始まり、四国、北陸、近畿、東海の5地区で終えた。残りは中国、東北、北海道、九州の4地区となる。

各地の会合では、事業量の確保と同時に、本格運用が始まった改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の徹底や、担い手の確保・育成が議題に上がっている。

近藤会長は、「国交省も(協会側の課題を)真摯(しんし)に受け止め、解決していこうという動きになっている」と述べ、各地区の協会・会員企業と連携した課題の解決に意欲を見せた。

各地の会合では、地域建設会社が地元のインフラの整備・維持管理、災害対応などの役割を担い続けるために、経営の安定化や担い手の確保・育成が不可欠だとして、公共工事からの適正利潤と、15年度補正予算・16年度当初予算での公共事業費の確保を求める主張が相次いでいる。

公共事業前払金保証事業会社がまとめた統計では15年度上期(4~9月)の請負金額は前年同期の水準を下回り、全建が会員企業に行った調査でも多くの企業が「受注の減少」を訴えている。近藤会長は「盛り上がってきている地域建設業の活動を挫折させるわけにはいかない」と述べ、工事量の確保に向けて各協会が求めている補正予算の早期編成に理解を示した。

地域建設会社の現状について「地方に行くほど公共工事がメーンで、(ターゲットになる)工事も規模が小さい。(予算が)少なければ(経営に)直に効いてしまう」とも指摘。事業量を安定的、継続的に確保していくことの重要性を重ねて強調した。

工事量の減少に伴い、地域によって建設労働力の需給ギャップが大きくなっていることについても、地域経済への影響に懸念を示した。

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