2015/11/10 国交省/11月11日に中建審総会/「解体」経審改正で意見聴取

【建設工業新聞 11月 10日 1面記事掲載】

国土交通省は11日、中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)の総会を開き、建設産業の現状と最近の取り組みを報告するとともに、改正建設業法で来年6月に建設業許可業種に「解体工事業」が新たに加わることによる経営事項審査制度(経審)の改正について意見を聞く。建設産業の担い手確保・育成に向けた取り組み状況や社会保険加入促進、技能者の経験が蓄積されるシステムの構築に向けた議論なども報告される。基礎杭の施工不良による横浜市のマンション傾斜問題への対応状況も報告する。

総会で意見を聞く経審改正は、完成工事高評点(X1)と技術力評点(Z)に解体工事の「完成工事高」や「技術職員数」を反映できるようにするのが目的。改正に当たっては、16年6月の適用から3年間の経過措置期間を設定する。

建設産業の現状と最近の取り組みについては、▽建設投資と許可業者数や就業者数の推移▽技能労働者の推移や高齢化の進行▽代表職種の労働者不足率の推移▽主要資材の価格動向▽入札不調の状況▽16年度予算概算要求の内容▽改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づく運用指針のポイント▽地方自治体の「歩切り」のフォローアップ調査▽施工時期の平準化▽担い手確保・育成の取り組み-などが報告される予定だ。

この中で公共工事設計労務単価の適切な設定と、それを踏まえた適切な賃金水準の確保を関係者に要請していることや、17年度に企業単位で100%を目指す社会保険加入対策の取り組みも説明。技能労働者の経験が蓄積されるシステムの構築については、▽技能労働者の技能や経験の適切な評価に基づく処遇▽技能や経験に応じた効率的な人材配置-などの実現に向けて、16年度後半に試行運用、17年度から運用開始を目指すことを報告する。

マンション傾斜問題をめぐっては、基礎工事を行った旭化成建材による施工データの流用などが発覚して以降の実態解明調査や相談体制の整備、再発防止策を検討する有識者委員会の設置など、一連の状況を説明するという。

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