2015/11/12 経営事項審査の改正案を了承 28年6月から 中央建設業審議会
11月11日、国土交通省は中央建設業審議会を開催し、建設産業の現状と
最近の取り組みについて報告すると共に、解体工事業追加に係る
経営事項審査制度の改正について意見を聴取した。
またその他として横浜市のマンション傾斜問題について報告があった。
1.業界の現状と取り組みについて
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平成22~26年の5年間で建設業の就業者が10万人増え505万人になった。 (ピーク時の平成9年は685万人) |
・ | 29歳以下の技能労働者がこの1年間で3万人増えた。 |
・ | 建設技能労働者の過不足感はここのところ落ち着きを見せている。 |
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主要建設資材及び円相場の動向を見ると、 生コン・セメント・砕石などの国産材はこの10年程落ち着いた値動きであり、 大きく変動しているのは合板や鋼材などの為替変動を受ける輸入材である。 |
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・ | 入札不調の状況も全国的に減少傾向にあり落ち着きを見せている。 |
・ | 建設投資が同規模で推移するとすれば、2025年度迄に90万人の新規入職者が必要。 |
現状では最大の課題であり、官民一体となって将来の担い手確保に強い決意で
臨むことが報告された。
これに対して、委員からは次の様な意見が出た。
近藤晴貞委員(全国建設業協会会長)
担い手三法について地方公共団体まで浸透させて欲しい。
発注の平準化をお願いしたい。
今年度の発注量を増加させて欲しい。
勝野圭司委員(全国建設労働組合総連合書記長)
社会保険加入は企業レベルで進んでいるが、個人レベルがまだ進んでおらず、
逆に労働者を一人親方化させる動きが進んでいる問題がある。
就労履歴システムの話が出ているが本人確認が最も重要だ。
小野徹委員(全国中小建設業協会副会長)
改正品確法がスタートしたが、市町村レベルでは年1回だけ総合評価方式入札を
実施する等、言い訳程度にしか浸透していない。改善して欲しい。
青木繁夫委員(日本建設躯体工事業団体連合会副会長)
躯体工事業業界の有効求人倍率は6.9倍であり、担い手確保が全く出来ていない。
総合評価方式入札制度に専門工事業者の評価を加えて貰いたい。
経審までいかなくて良いが、真面目に働く専門工事業者が評価される仕組みを
是非入れて貰いたい。
2.解体工事業追加に係る経営事項審査制度の改正について
建設業の許可に係る業種区分として解体工事業を追加したことにより、
経営事項審査でも同工事業の審査項目を追加し、次の内容とする案が
審議され了承された。
(1) |
他の工事同様に完成工事高(X1)、元請完成工事高及び技術職員数(Z)により 申請する。 |
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(2) |
改正法の経過措置に合わせ、経営事項審査でも平成28年6月から3年間は2つの 経過措置をとる。 この期間中は改正前後の基準が混在し、改正後基準の申請でとび・土工工事業を 審査してしまうと、解体工事業の売上や技術者が抜けてしまい不利になることが あることから、 |
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① |
新しくできた「解体工事業」「とび・土工工事業」の総合評定値に加えて、 改正「以前」の許可区分による「とび・土工工事業」の総合評定値も算出し、 共に通知を行う。 |
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② |
「とび・土工工事業」及び「解体工事業」の技術職員については、 双方を申請しても改正法以前の1つの業種と見なす。言い換えると通常は 技術職員1人につき申請できる建設業の種類は2つのところを、 このケースに限り3つとなることを認める。 |
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今回の中建審で改正案が了承されたことから、現在28業種、31種類(PC、法面、鋼橋)の
総合評定値に対して、来年6月からの3年間は29業種、33種類の総合評定値が通知書に
掲載されることになる。
その他として横浜市のマンション傾斜問題が報告された。調査は施工不良と施工データの
流用という2つの観点から行われており、基礎ぐい工事問題に関する対策委員会により
年内を目途に中間とりまとめが行われる予定。