2015/11/12 国交省/「施工平準化」で全都道府県との合意めざす/監理課長会議で申し合わせ

【建設工業新聞 11月 12日 1面記事掲載】

国土交通省は、公共工事の発注・施工時期の平準化について、具体的な取り組みを全国各地で展開するため、15年度下期ブロック監理課長等会議(全8カ所)で、すべての都道府県との申し合わせを目指す。上期の監理課長等会議で全都道府県と申し合わせた「歩切りの早期根絶」に続く第2弾の申し合わせとして「平準化」を位置付けており、既に9日の中国ブロック、10日の北陸ブロックでは申し合わせが完了した。

改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)では、計画的な発注と適切な工期設定を発注者の責務と規定している。国交省は監理課長等会議を改正公共工事品確法をはじめとした「『担い手3法』の推進母体」(入札制度企画指導室)と位置付けており、下期の会議では建設業界からの要望が強い発注・施工時期の平準化について自治体側と申し合わせを行うことを目指している。

平準化を通じ、年度後半に施工量が偏在している現状を改善することで、人材や資機材を効率的に活用できるほか、技術者や技能者が年間を通じて安定的に働けるようになり、処遇改善にもつながるとされる。公共工事の平準化が実現すれば、建設生産システムそのものを大きく変えるとも期待されている。

中国、北陸の2ブロックで合意した申し合わせ文書では、平準化の具体的な取り組みとして▽債務負担行為の積極的な活用等による適切な工期の設定▽工事開始前に労働者確保等の準備を行うための余裕期間の設定▽年度当初からの予算執行の徹底▽市区町村の発注・施工時期等の平準化に向けた助言等の支援-を例示している。

両ブロックでは「各県の平準化に対する意識は高い」(入札制度企画指導室)ものの、具体論はこれからという段階。国交省は申し合わせの呼び掛けと同時に、平準化に向けた新たな考え方として、施工量のピークを押し下げるインデックス(評価指標)を設定することを一つの提案として都道府県に投げ掛けていく。

国交省は、小規模工事で平準化を実施している事例を集め、市区町村向けに紹介することなども念頭に置いている。

ブロック監理課長等会議は12月3日の関東ブロックまで今後6カ所で開かれる。

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