2015/11/27 全建/公共事業予算増額を、ブロック会議踏まえ意見書提出/品確法運用指針の徹底も

【建設工業新聞 11月 27日 1面記事掲載】

全国建設業協会(全建、近藤晴貞会長)は26日に東京都内で開いた理事会・全国会長会議で、「社会資本整備の着実な推進について」と題した意見を決定し、石井啓一国土交通相や自民党議員に提出した。国土交通省と各地区で行った15年度ブロック会議・地域懇談会を踏まえた47都道府県建設業協会の「総意」として、計画的・安定的な公共事業予算の確保や、防災・減災関連のインフラ事業予算の確保など8項目の要望を盛り込んだ。

意見は、▽計画的・安定的な公共事業予算の確保・拡大▽15年度大型補正予算の早期編成・15年度を上回る公共事業関係16年度当初予算の確保▽東日本大震災の復興や防災・減災に必要な予算の確保▽改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の運用指針の徹底▽適正利潤の確保▽設計労務単価のさらなる引き上げ・労働環境の改善▽地域建設企業の担い手の確保・育成▽建設現場の省力化・効率化、受注機会の拡大。

ブロック会議・地域懇談会では、中小建設会社による受注が多い小・中規模工事の発注量の減少を指摘する意見が相次いだ。この日決めた意見の冒頭では、工事量の地域間格差の顕在化と、地域建設業の疲弊による災害対応空白地域の拡大に懸念を表明。その上で、公共投資の着実な推進と建設産業の担い手確保の必要性を訴えた。

要望のうち、16年度当初予算については、「15年度を着実に上回る」よう要望。防災・減災関連は、東日本大震災の復興と、首都直下地震、東海・東南海・南海地震への備えを求めた。公共工事品確法の運用指針をめぐっては、適正な予定価格設定、歩切りの根絶、低入札価格調査基準・最低制限価格基準の設定・活用徹底、発注・施工時期の平準化、工事の性格に応じた入札契約方式の選択・活用を申し入れた。

適正利潤の確保では、実態を反映した予定価格設定と予定価格の事後公表も要請。担い手確保・育成では、職業訓練施設の機能強化とともに、業界の災害対応に関する広報予算の拡充も盛り込んだ。受注機会の拡大では、指名競争入札の積極活用を柱に据えた。

会長会議で近藤会長は「積極的に声を上げていただきたい」と各協会長に協力を要請。来賓の脇雅史・元自民党参院幹事長は「予算を少なくとも減らすことがないよう頑張っている」と述べた。

基礎杭の施工データ流用問題に関する経緯も報告され、近藤会長は事態の収束に向け適切な対応を要請。調査などへの協力も求めた。

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