2015/12/11 東京都/担い手確保と発注平準化推進/15年度内に週休2日モデル工事実施
【建設工業新聞 12月 11日 4面記事掲載】
東京都は、公共工事の担い手確保と発注時期の平準化に向けた取り組みを全庁挙げて推進する。担い手確保では、週休2日の確保のほか、若手技術者の育成や女性技術者の労働環境整備などを進めるモデル工事を実施。週休2日制は、建設局を中心に本年度からモデル工事を発注する。発注時期の平準化では、18年度以降を目標とした全庁的な数値目標を定め、段階的にピークカットを進めていく。
公共工事の担い手確保は、現場技術者の高齢化や若年入職者の減少など建設業界を取り巻く構造的な問題を踏まえ、建設企業が現場に多くの人材を受け入れ、技術者を育成していく環境づくりを発注者側から後押しすることを目的としている。
現時点では、配置予定技術者などに若手技術者などの配置を求める「若手技術者育成」、現場の週休2日の確保を推進する「週休2日制確保」、現場見学会や新技術・高度技術の導入などで都民などに建設産業の魅力をPRする「建設業の魅力発信」、女性技術者の配置を求め、女性が働きやすい環境づくりを推進する「女性活躍推進」の四つのモデル工事を想定している。
このうち週休2日確保は、他のモデル工事に先行し、建設局が本年度から実施する方針を示している。モデル工事では、土日に限らずに週休2日の確保を求めるが、確保できなかった場合の罰則などは設けない。ただし、今後の本格実施に向けた現場の現状把握を目的とするため、週休2日の計画や実際の休日の取得状況、週休2日とならなかった場合の理由が確認できる書類の提出などを求める。
同局では、さまざまな施工場所や工種の状況を把握したい考えで、年度内に5件程度で試行する方針。モデル工事の試行実施要領を11日にホームページ上で公表する。
このほかのモデル工事についても、各発注担当局で可能なものから順次、現時点で想定されている4モデル以外でも、担い手確保につながる取り組みは積極的に導入していく方針だ。
発注時期の平準化は、時期によって波がある技術者や建設機械などの稼働状況を一定にすることで、年度末などの繁忙期に特に厳しくなる労働環境の改善を図るとともに、今後の社会資本整備の計画的・持続的な実施を目的としている。
都の工事発注は例年、春先に少なく、秋にピークを迎える。13、14年度の発注状況を見ると、最も少ない4月は100~150件程度だが、ピーク時の10月には750件前後と約6倍の開きがある。
こうした発注件数の波を平準化させるため、新たに時期ごとの発注件数に関する数値目標を設定。工期が12カ月未満の工事への債務負担行為の活用や、年度明け直後の着工を可能とするため翌年度予算分の工事を当該年度に契約するゼロ都債などを活用し、発注時期を分散させる。
ただゼロ都債を含め、年度をまたぐ工事となる債務負担行為の活用には、翌年度以降の発注計画との調整も必要となる。このため、16年度から段階的にピークカットを進めるが、本格的に目標達成を目指すのは18年度以降となる見込みだ。
公共工事の担い手確保は、現場技術者の高齢化や若年入職者の減少など建設業界を取り巻く構造的な問題を踏まえ、建設企業が現場に多くの人材を受け入れ、技術者を育成していく環境づくりを発注者側から後押しすることを目的としている。
現時点では、配置予定技術者などに若手技術者などの配置を求める「若手技術者育成」、現場の週休2日の確保を推進する「週休2日制確保」、現場見学会や新技術・高度技術の導入などで都民などに建設産業の魅力をPRする「建設業の魅力発信」、女性技術者の配置を求め、女性が働きやすい環境づくりを推進する「女性活躍推進」の四つのモデル工事を想定している。
このうち週休2日確保は、他のモデル工事に先行し、建設局が本年度から実施する方針を示している。モデル工事では、土日に限らずに週休2日の確保を求めるが、確保できなかった場合の罰則などは設けない。ただし、今後の本格実施に向けた現場の現状把握を目的とするため、週休2日の計画や実際の休日の取得状況、週休2日とならなかった場合の理由が確認できる書類の提出などを求める。
同局では、さまざまな施工場所や工種の状況を把握したい考えで、年度内に5件程度で試行する方針。モデル工事の試行実施要領を11日にホームページ上で公表する。
このほかのモデル工事についても、各発注担当局で可能なものから順次、現時点で想定されている4モデル以外でも、担い手確保につながる取り組みは積極的に導入していく方針だ。
発注時期の平準化は、時期によって波がある技術者や建設機械などの稼働状況を一定にすることで、年度末などの繁忙期に特に厳しくなる労働環境の改善を図るとともに、今後の社会資本整備の計画的・持続的な実施を目的としている。
都の工事発注は例年、春先に少なく、秋にピークを迎える。13、14年度の発注状況を見ると、最も少ない4月は100~150件程度だが、ピーク時の10月には750件前後と約6倍の開きがある。
こうした発注件数の波を平準化させるため、新たに時期ごとの発注件数に関する数値目標を設定。工期が12カ月未満の工事への債務負担行為の活用や、年度明け直後の着工を可能とするため翌年度予算分の工事を当該年度に契約するゼロ都債などを活用し、発注時期を分散させる。
ただゼロ都債を含め、年度をまたぐ工事となる債務負担行為の活用には、翌年度以降の発注計画との調整も必要となる。このため、16年度から段階的にピークカットを進めるが、本格的に目標達成を目指すのは18年度以降となる見込みだ。
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