2015/12/21 15年度補正予算案/国交省関係4736億円/災害復旧・防災減災に大半

【建設工業新聞 12月 21日 2面記事掲載】

政府は18日の臨時閣議で、15年度補正予算案を決定した。国土交通省関係の国費ベースの総額は4736億円。災害復旧・防災減災事業に3611億円を投じ、9月の関東・東北豪雨で被災したインフラの復旧や、多発する自然災害を踏まえた緊急防災対策を進める。予算執行に当たっては、円滑な施工の確保と早期執行に配慮。最新単価を適用した適正な予定価格の設定に努めるとともに、地域企業の活用を促すため、適切な規模、工期設定にも努める。

補正予算案は、▽災害復旧・防災減災事業▽一億総活躍社会実現の緊急対策(計上額436億円)▽総合的なTPP対策(1億円)▽その他(688億円)-の4点が柱。

災害復旧・防災減災事業は、大規模災害復旧に870億円、自然災害リスクを踏まえた緊急防災対策に2742億円を計上。大規模災害復旧では、15年に発生した台風、豪雨などによって被害を受けた公共土木施設の復旧を急ぐ。

自然リスクでは、分野別に対策費を計上し、緊急防災事業としての主な配分額は河川が742億円、道路が710億円、港湾が130億円、空港が30億円、鉄道が21億円。河川は東北・関東豪雨の被害を踏まえ、大きな被害が想定される地域の緊急対策を実施。道路は代替路の整備、空港は冠水対策、鉄道は耐震化や青函トンネルの防災対策を急ぐ。自治体の事業を支援する防災・安全交付金には997億円を計上した。

安倍政権が力を入れる「一億総活躍社会」については、首相の指示した3世代同居・近居に関し、3世代同居対応の木造住宅整備の支援を拡充する。訪日外国人客対応として、宿泊施設のインバウンド対応、空港関連施設の拡張、大型クルーズ船の受け入れ環境の整備を進める。

TPP関連では、インフラシステムの輸出に向け、1億円を充てて動画コンテンツの整備をはじめとする戦略的な広報を進める。

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