2015/12/25 16年度予算案/国交省関係、公共事業費4年連続増/防災・ストック効果重視

【建設工業新聞 12月 25日 1面記事掲載】

政府は24日の閣議で16年度予算案を決定した。一般会計の総額は96兆7218億円で当初予算としては4年連続で過去最大を更新。うち公共事業関係費は前年度比26億円(0・04%)増の5兆9737億円となった。国土交通省の予算額は総額5兆7767億円で前年度比0・2%減。増減が焦点となっていた同省分の公共事業関係費は災害復旧を含め、20・4億円(0・04%)増の5兆1787億円で、ほぼ横ばいながらも4年連続増を確保した。

公共事業関係費は、局地的豪雨の頻発などを踏まえ、防災・減災対策を充実させたほか、インフラの老朽化対策に重点を置いた。さらに、経済成長につながる社会資本整備として、インフラのストック効果を重視した予算編成を行ったのが特徴だ。

水害・土砂災害・火山災害の対策には3%増の4434億円を配分。インフラ老朽化対策として進める戦略的な維持管理・更新には4%増の4100億円を充てるほか、地方自治体向けの「防災・安全交付金」は0・5%増の1兆1002億円を計上した。

一方、新規事業が中心の「社会資本整備総合交付金」は0・4%減の8983億円となった。「コンパクト+ネットワーク」の推進や、子育て世代・高齢者世帯が豊かに暮らせる生活環境の整備を図る。

ストック効果関連としては、物流ネットワークの強化に6%増の3170億円を計上。3大都市圏環状道路や空港・港湾のアクセス道路などに重点投資する。民間のビジネス機会を拡大するPPP・PFIの推進には22%増の268億円を配分した。整備新幹線関係は前年度と同じ755億円を確保した。

予算執行の段階では、ICT(情報通信技術)を直轄事業で全面的に活用する「i-Construction」に取り組み、債務負担行為を活用した施工時期の平準化も進める。

国交省関係ではこのほか、官庁営繕費に前年度と同じ177億円、その他施設費に18%増の338億円を配分した。

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