2016/04/28 国交省/管理・主任技術者の職務明示へ/元・下請の役割明確化で、3項目の検討案提示

【建設工業新聞 4月 28日 1面記事掲載】

中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)合同の基本問題小委員会(大森文彦委員長)が26日開いた会合で、国交省は検討課題となっている「元請・下請の施工体制上の役割・責任の明確化」についての方向性も示した。個別テーマのうち、「監理技術者等の職務(役割)の明確化」「実質的に施工に携わらない企業の排除」「工場製品の品質確保」の3項目で検討案を提示した。

建設業法上、監理技術者と主任技術者の職務は共通で、元・下請の技術者の役割の違いが明確になっていない。国交省はすべての主任技術者を、「全体の総括的施工管理」(元請の監理技術者のイメージ)と「請負部分の施工管理」(下請の主任技術者のイメージ)の2種類に分け、職務を明確化。1次下請の技術者が全体の総括的施工管理を担うケースもあるとして、分類の判断基準は引き続き検討するとした。

技術者配置については、大規模工事で複数の技術者が置かれる実態を踏まえ、監理技術者制度運用マニュアルに監理技術者の役割を補佐的に分担する技術者を積極的に配置するよう記載すべきと提案。ただ全体を総括する監理技術者は1人とする考えを示した。

実質的に施工に携わらない企業の排除では、「実質的関与」の基準が不明確と指摘した上で、下請の施工関与の形態を▽複数工種のマネジメント▽単一工種で複数の下請企業のマネジメント▽単一工種で単一の下請企業のマネジメント-の3パターンに分類するイメージを示した。

実質的関与を判断するため、元・下請それぞれが施工上果たすべき役割(施工計画の作成や工程管理など)を再整理。下請の役割はパターン別に整理していく。元・下請の役割の整理により、商社や代理店、労務調達を専門に行う企業を的確に排除できる基準を検討するとした。今夏にも通知を改正する予定だ。

工場で加工・組み立て・製造する製品は、現行の建設業法の規定が適用されない。工場製品に関する品質管理のあり方として国交省は、製造会社に対し建設業法で一定の制度的な関与を設ける必要性を示し、製造会社を建設業法に位置付け(届け出や登録など)て検査など行う手続きを規定することを例示した。

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