2016/06/17 国交省、総務省/自治体に社保未加入対策の強化要請/1次下請も対象、未加入業者排除

【建設工業新聞 6月 17日 1面記事掲載】

国土交通、総務両省は、地方自治体に建設業の社会保険未加入対策の強化を要請した。定期の競争参加資格審査などを通じて未加入の元請業者を発注工事の入札から排除。建設業許可行政庁や社会保険担当部局への通報などにより、未加入の1次下請業者も発注工事から排除するよう求めた。16日付で「建設業における社会保険等未加入対策について」と題した要請文書を都道府県知事と政令市長、各議会議長に送付。管内の市区町村への周知も要請した。

国交、総務、財務の3省が公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づき実施した調査によると、15年3月時点で、元請業者に対し社会保険未加入対策を実施していない自治体は都道府県が9団体、政令市(対象20団体)が6団体、市区町村(対象1721団体)が1124団体。下請業者に対しては都道府県が26団体、政令市が12団体、市区町村が1585団体に上った。

国交省が5月に都道府県を対象に実施した調査結果を見ると、すべての都道府県が元請業者の未加入対策に取り組んでいることが判明。だが24団体が下請業者への対策を実施していなかった。

こうした状況を踏まえ今回、自治体に向けて未加入の元請・下請業者を発注工事から排除する措置を講じるよう求めた。未加入の元請業者を排除するため、定期の競争参加資格審査や個別工事の競争参加資格審査で入札参加者を加入業者に限定する取り組みを要請。下請業者については、元請業者に未加入業者との下請契約を禁止し、未加入業者を許可行政庁・社会保険担当部局へ通報するなどの措置を求めた。

国交省は社会保険加入の目標を「17年度をめどに企業単位で許可業者100%、労働者単位で製造業並み」と設定している。同省直轄工事では、14年8月から未加入の元請業者を、15年8月からは未加入の1次下請業者も排除しており、現在こうした対策を2次下請以下にも広げることを検討している。

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