2016/07/07 国交省/中小企業経営強化法で建設業版指針策定へ/経営力向上計画作成に活用

【建設工業新聞 7月 7日 1面記事掲載】

国土交通省は、1日に施行された中小企業等経営強化法に基づき、生産性向上の方法などを示した建設業版の指針の策定に着手した。中小・中堅企業が生産性や経営力を向上させるための事業計画「経営力向上計画」を作成する際に活用してもらい、建設業者からの申請を促すのが目的。計画が認定された事業者は、固定資産税の軽減や金融支援などの特例措置が受けられる。今秋にも指針案を取りまとめ、意見募集を行う予定だ。

中小企業等経営強化法は、中小企業・小規模事業者・中堅企業の経営強化を図るため、政府が生産性向上に役立つ取り組みを企業に促すとともに、その取り組みを計画した企業を積極的に支援するのが目的。

中小・中堅企業は生産性向上に向けた人材育成や財務管理、設備投資などの取り組みを盛り込んだ経営力向上計画を所管省庁に申請。計画が認定されると、生産性を高めるための機械装置を取得した場合は3年間、固定資産税が2分の1に軽減される。資金調達では、政府系金融機関からの低利融資や、民間金融機関からの融資に対する信用保証・債務保証などの支援が受けられる。

所管省庁は、事業者が行うべき生産性向上の取り組みを示した「事業分野別指針」を分野ごとに策定する。国交省関連では、船舶産業や旅館業などで既に指針が策定されている。

建設業分野の指針作りでは、生産性を高める機械装置として、ICT(情報通信技術)施工に対応した建設機械などを想定。申請時に求められる「労働生産性」については、人件費の増加をプラスに評価する「付加価値労働生産性」を指標に用いるかどうか検討する予定で、「建設業に特化し、申請時に使いやすい指針にする」(建設市場整備課)としている。

申請事業者は建設業版の指針を待たずに、経済産業省が定めた基本方針に沿って経営力向上計画を作成し、申請することも可能。建設業の提出先は国交省の各地方整備局となっている。

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