2016/11/29 国交省/担い手3法浸透へ、全都道府県と合意/平準化策や社保未加入対策さらに推進

【建設工業新聞 11月 29日 1面記事掲載】

国土交通省は改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)など担い手3法のさらなる浸透に向けた取り組みを進めることを全都道府県と申し合わせた。全国8地域で開いた16年度下期ブロック監理課長等会議で、施工時期を平準化する取り組みやダンピング対策、社会保険未加入対策などを議論。同省と都道府県が発注機関として今後の取り組み方向を確認した。

ブロック監理課長等会議は、国交省と都道府県の担当者が入札契約制度や建設業行政の課題について議論する場。16年度下期の会議は7日に始まり、25日の北海道・東北ブロックで終了。全都道府県との間で、担い手3法のさらなる浸透や社会保険未加入対策の取り組みについて申し合わせが完了した。

国交省は、担い手3法のさらなる浸透に向けて、都道府県に「適正な予定価格設定」と「施工時期などの平準化」に取り組んでもらう方針だ。

予定価格は、適切に作成された仕様書や設計書に基づいて労務や資材などの最新の実勢価格を適切に反映させ、実態を踏まえた積算を実施するよう要請した。

ダンピング対策も議論。国交省は低入札価格調査制度か最低制限価格制度を導入していない市区町村のうち一定規模以上の団体を重点団体とし、都道府県と連携してダンピング対策の導入を働き掛けるという共通認識を醸成。16年度から17年度にかけて取り組みを具体化する予定だ。

都道府県の工事発注で施工時期を平準化する取り組みが広がっていることが国交省の10月調査で判明。中でも予算の繰り越し制度を活用する団体が増えており、債務負担行為の活用や適切な工期設定、積算前倒しなどの取り組みも着実に浸透してきた。

申し合わせでは平準化が人材・資機材の効率的な活用や担い手の処遇改善、建設業の生産性向上につながる重要施策とし、各施策の適切な活用を促す。同省はさらに、都道府県が取り組む平準化の事例集(4月作成)を年度内に充実・改定するとともに、市区町村の取り組み事例についても把握に努める。

国交省は建設業の社会保険加入の目標を「17年度をめどに許可業者単位で100%、労働者単位で製造業並み」と設定。期限まで5カ月を切り、申し合わせでは未加入対策の一層の推進を要請した。

同省の10月調査では40団体が1次下請から社会保険未加入業者を排除。残り7団体も大半が17年度に向け対策を検討しており、今後も未加入業者を工事から排除する取り組みを地域の実情に応じて下請業者も含めて効果的に進めてもらう。併せて管内の市区町村への支援も求めた。

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