2016/12/26 17年度予算案が閣議決定/公共事業費横ばい維持/平準化へ国債大幅拡大

【建設工業新聞 12月 26日 1面記事掲載】

政府は22日、17年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は97兆4547億円で、当初予算としては5年連続で過去最大を更新した。公共事業関係費は前年度を26億円上回る5兆9763億円(0・04%増)と横ばいを維持した。このうち国土交通省分は災害復旧を含め、20・5億円上回る5兆1807億円(0・04%増)。必要な社会資本整備を行うための安定的・持続的な予算を確保した。=2面に国交省の予算案の詳細・部局別概要と関連記事

災害対策に1995億円を充てる16年度第3次補正予算案(追加総額1兆1661億円)も同日決定した。国交省分では、北海道や岩手で発生した台風や豪雨による河川、道路、港湾など公共土木施設の災害復旧(944億円)を含めた1000億円程度の予算が追加された。

公共工事については、改正公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)に基づき進めてきた国庫債務負担行為(国債)を活用した施工時期の平準化措置を拡大。適正な工期を確保するための2カ年国債の規模を15年度の約200億円、16年度の約700億円から17年度は1492億円と倍増させる。これにより、工期の短い工事も2カ年で行えるようにして、年度末に工期が集中するのを回避できるようにする。

加えて17年度予算案では、当初予算では初めて当年度支出を伴わないゼロ国債を1413億円計上した。通常は補正予算で手当てするゼロ国債を当初予算で設定することで、18年度に支出する工事について、17年度中に計画的な発注手続きができるようになる。

こうした措置を通じて、公共工事の施工時期を平準化。閑散期となる4~6月の施工量を増やすことで、建設現場の生産性向上に役立てる方針だ。

3次補正予算案でも政府全体で3000億円を超えるゼロ国債を手当てし、17年度に支出する工事の発注手続きに16年度から入れるようにする。国交省分は2984億円となった。

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