2017/01/27 国土交通省 「第3回 建設産業政策会議」が開催

国土交通省は1月26日、「第3回 建設産業政策会議」を、東京 霞が関の経済産業省別館にて開催した。

「建設産業政策会議」では10年後においても建設産業が「生産性」を高めながら、「現場力」を維持していくための建設業関連制度の基本的枠組みについて検討を行い、来年6月をめどに取りまとめを行う。
第3回となる今回は主に”建設業の働き方”について議論がされ、次回以降の”建設生産システムにおける生産性向上等に向けた主な課題”について問題提起がされた。


<建設業の働き方について>
他産業に比べて労働時間が長く休みが取りづらい状況や、労働時間に対する賃金の低さ、若手労働者が定着しない状況等が報告され、建設業の働き方として目指していく方向性が示された。

(建設業の働き方として目指していく方向性)

           
<技術者>

■雇用条件
・政府全体で長時間労働の是正に取組むこととされている中、建設業においても、週休2日や長時間労働の是正に取組むべきではないか。
・その際、ICTの活用などを前提とした技術者の配置等の在り方の見直しや技術者の作成する検査書類の簡素化、施工時間等の標準化などを通じて、長時間労働の是正を進めるべきではないか。

           
<技能労働者>

■雇用形態
・大きな方向性としては、入職促進・離職防止の観点から、正社員化・安定雇用を促進するべきではないか。
・その際、発注の標準化とともに、受注者においても、閑散期における仕事の機会の創出の観点から、取組みを進めていく必要があるのではないか。

■雇用条件
・若年者の入職を促進するためには休日の確保が必須であることを踏まえて、官民を挙げて週休2日の実現のための施策を検討するべきではないか。
・その際、日給月給制では、週休2日・休暇確保のインセンティブが弱いことから、月給制への移行を促す必要があるのではないか。(例えば、若手新規入職者から促進するなど)
・あわせて、真に必要なコストに対し、価格転嫁の好循環をどのように作り出すか検討する必要があるのではないか。

■将来に向けてのキャリアパス
技能労働者(特に登録基幹技能者)の法律上の位置付けを検討すべきではないか。
・能力評価基準等を構築することにより、技能労働者の処遇の改善を図るべきではないか。
多能工育成のための促進策を検討するべきではないか。

■一人親方
・入職前後で技術を身につけていない若年者が非自発的に一人親方となることがないよう、対策を講ずる必要があるのではないか。
・あわせて、一人親方の働き方について実態把握を進め、一人親方の適切な働き方について検討する必要があるのではないか。
・引き続き一人親方の労働者性の判断基準の周知徹底等を図るべきではないか。

■外国人材
・国内での人材確保・育成や生産性向上に最大限努めつつ、外国人材の将来的な活用の方向性を検討すべきではないか。

また実現に向けた検討の視点(案)が示された。


<建設生産システムにおける生産性向上等に向けた主な課題について>

次回以降の論点として、生産性向上等での主な課題が示された。
以下は、次回以降の建設産業政策会議にて議論される。

建設生産システムにおける生産性向上等に向けた主な課題(たたき台)


(上記①~⑪の説明)
①施工に手戻りを生じさせない設計、適切な積算
②BIM、CIMの活用拡大への対応
③フロントローディング(初期段階から設計が協働して設計図書を作成)に向けた対応
④発注体制の弱い発注者でも対応可能な持続的な発注制度
⑤CMのニーズへの対応(法制度上の位置付け等)
⑥受発注者間・元下間の片務性への対応(適正工期、下請取引改善等)
⑦施工段階で生じうる様々な追加リスクへの対応(当面は、民間工事指針の普及等により、施工上のリスクの事前協議を推進)
⑧プレキャストなど工場製品の増加への対応(工場製品の品質確保への対応)
⑨ICTを活用した資材納入等の効率化
⑩アフターケアまで見据えた生産、情報管理への対応
⑪AI、IoTなどの積極的な活用(当面はi-Constructionの推進)

建設生産システムにおける生産性向上等に向けた主な課題(プレーヤーとの関係)


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