2017/03/02 国交省/登録基幹技能者を主任技術者要件に認定/認知度向上・普及促進へ

【建設工業新聞 3月 2日 1面記事掲載】

国土交通省は建設業法で定める主任技術者要件に、登録基幹技能者を位置付ける。講習の受講要件が主任技術者要件を満たす資格を専門工事の主任技術者要件として認定。現行では要件を満たしていない資格も、規定などを変更して要件を満たすようにすれば認める。高度の技能を持つ登録基幹技能者を主任技術者に認定することで、さらなる認知度の向上と普及促進につなげる。=2面に関連記事

2月28日に省内で開いた「適正な施工確保のための技術者制度検討会」(座長・小澤一雅東大大学院教授)で、登録基幹技能者を主任技術者要件に認定する方針案を示した。

主任技術者になるには、「施工管理技士」などの国家資格や建設業法で登録された民間資格の取得と、最終学歴に応じた実務経験年数が必要になる。国交省は主任技術者要件に民間資格を活用するための認定基準案を提示。試験の公平性・透明性が確保された認知度の高い資格で、専門知識・経験について「現行の主任技術者要件に照らし客観的かつ明確に同等以上」という基準内容を示した。

認定基準案に基づき、登録基幹技能者を資格認定する。登録基幹技能者の資格保有者は16年3月末時点で33資格の計5万1660人。資格保有者が拡大する中、国交省直轄工事では総合評価方式の入札で資格保有者を配置する企業に加点する措置が取り入れられたり、ゼネコン各社が優良職長制度の中で手当を支給する対象にしたりするなど評価が広がっている。

講習の受講要件は「基幹的な役割を担う職種で10年以上の実務経験と3年以上の職長経験があり、講習実施機関が定める資格(最上位の技能者資格など)の保有」と規定されている。この受講要件で、主任技術者要件を満たしているものは33資格のうち29資格。それぞれ対象とする専門工事(土木一式工事は除く)の主任技術者要件として認定する。残り4資格は、主任技術者要件を満たすよう規定や運用を変更した時点で29資格と同様に認める。

現在、技能者は10年以上の実務経験があれば主任技術者になれる。国交省は登録基幹技能者を主任技術者要件に明確に認定することでさらなる認知度向上と普及促進につながり、主任技術者を配置するたびに行う実務経験などの要件確認の手間も軽減すると期待している。

委員からは「技能者のキャリアアップで技術者への道が開ける」といった意見が出た。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る