2017/09/01 国交省/地域建設業の多能工化・協業化推進/モデル事業で育成後押し、手引作成も

【建設工業新聞 9月 1日 1面記事掲載】

国土交通省は18年度から、地域建設産業の多能工化・協業化の推進に向けた取り組みを始める。中小・中堅建設企業で構成するグループを対象に、多能工化・協業化を支援するモデル事業を展開。実態調査なども踏まえ、多能工化・協業化に取り組む際の手法などを示す手引を作成し、地域建設企業の生産性向上に役立ててもらう。

18年度予算の概算要求で、98百万円(新しい日本のための優先課題推進枠)を新規計上した。

中小・中堅建設企業は手持ち工事量が変動するため、人材の確保・育成や建設機械の購入といった経営資源への投資を控えてしまう傾向がある。こうした実情を踏まえ、国交省は技能者の技能・ノウハウや企業の保有資産を、地域内で有効活用する仕組みの形成を支援する。

多能工化モデル事業では多能工育成・活用計画の策定と実施を後押し。土木は鉄筋・型枠・コンクリート打設など、建築では塗装・防水・内装など職種間での多能工化を想定する。

協業化モデル事業は協業化計画の策定と実施を支援する。グループ各社が保有する建設機械などの経営資源を、余剰や不足の状況に合わせてグループ内で有効活用し、業績の安定化につなげる取り組みだ。

国交省はモデル事業のほかに、中小・中堅建設企業の多能工化・協業化に関する実態も調査する。取り組みの有効性や対象職種などについて検討。モデル事業の成果や実態調査の結果などを踏まえ、多能工化・協業化手引を作成し、地域の中小・中堅建設企業に周知を図る。

国交省は地域社会を支える中小・中堅建設企業を対象に、担い手確保・育成や生産性向上に向けた取り組みを支援するため、15年度と16年度に「地域建設産業活性化支援事業」、17年度には「建設産業生産性向上支援事業」を実施した。18年度は生産性向上の取り組みをさらに進めるため、「多能工」と「協業」をテーマに新たな事業の創設を目指している。

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