2017/12/22 国交省/技術検定受験要件、職業訓練を実務経験に認定/2年で短大卒扱い

【建設工業新聞 12月 22日 1面記事掲載】

国土交通省は施工管理に関する国家資格を取得する技術検定制度で、実作業の技能を習得できる職業訓練の受講を受験要件の実務経験として認めることを決めた。訓練期間を実務経験年数に含めるなど要件を緩和することで、若年層の早期受験や定着につなげるのが目的。18年度の技術検定の受験者から適用する。認定された訓練科を過去に受講した修了者でも実務経験年数の対象となる。

職業訓練は、職業能力開発促進法に基づき国や地方自治体が設置する「公共職業能力開発施設」、都道府県知事が厚生労働省令の基準に適合したと認定して事業主などが設置する「認定職業訓練施設」ともに訓練内容が具体的に規定されている。

国交省は、職業訓練の受講期間を実務経験年数に算入することを認める。

訓練期間が2年の場合、これまで施設から申請があれば個別で審査し、指定学科の大学・短大と同等と認定している。認定数は現在43施設145訓練科。今回の実務経験要件の緩和に伴い、新たに20施設32訓練科を認定する。

実務経験要件については、施工管理に関する2年以上の訓練(認定された高度職業訓練、普通職業訓練)を修了した高卒者を、指定学科の短大卒者と同等の扱いとする。例えば、指定学科以外の高校を卒業後、建設会社に就職して技術検定の2級を受験する場合、現行では2年の訓練を受講しても4年6カ月の実務経験が必要だが、今回の緩和で短大と同等の2年に短縮。1級の場合は、現行11年6カ月の実務経験が5年に短縮される。

期間が2年未満の訓練は現在、個別審査がなく実務経験として認められていない。今回の緩和では、施工管理に関連する訓練科のうち、一定の基準を満たしている55施設85訓練科を新規に認定。訓練期間を実務経験として認める。

職業訓練の認定基準は、同省の有識者会議「適正な施工確保のための技術者制度検討会」が6月に策定した取りまとめに明示されている。

建設業法に基づく技術検定は、監理技術者や主任技術者になれる国家資格「施工管理技士」を取得する試験。最近は工業高校の学科数が減少傾向にあり、高校の普通科の卒業者や、建設業以外の産業からの転職者の受験が増えているという。建設企業では教育・訓練の機会として公共の教育訓練を活用しているケースも多い。国交省では職業訓練修了者に対し、18年度の技術検定から受験要件を緩和する取り組みを開始する。

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