2018/09/06 国交省/技術者の働き方改革推進/専門工事共同施工制度創設へ19年度に実態調査

【建設工業新聞 9月 6日 1面記事掲載】

国土交通省は建設技術者の働き方改革をさらに推進する。建設業法の改正を見据え、19年度から下位専門工事会社の主任技術者配置を不要とする「専門工事共同施工制度」(仮称)の創設に向けた調査・検討を実施。国家資格「施工管理技士」の学科試験合格者に付与する「技士補」(仮称)を想定した若手技術者の活用方策を検討する。現場配置の合理化に向けた事例調査も行う。

19年度予算の概算要求で、建設産業の働き方改革の推進経費として1億27百万円(新しい日本のための優先課題推進枠)を計上。このうち建設技術者の働き方改革の推進に3300万円を充てる。

中央建設業審議会(中建審、国交相の諮問機関)と社会資本整備審議会(社整審、同)の合同小委員会が、建設業法改正などを視野に審議した結果を6月に取りまとめた。国交省では来年の通常国会での法改正に向けて検討を進めている。

取りまとめの中で生産性向上や働き方改革の観点から、専門工事共同施工制度(仮称)の創設が提言された。上位の専門工事会社の主任技術者が、下位の専門工事会社の業務範囲をカバーすることで、下位の主任技術者の配置を不要とする仕組み。19年度は制度創設に向けた施工体制の実態調査・分析検討に取り組む。

元請建設会社の技術者配置要件の合理化についても提言。一定の実務経験と知識を持つ若手技術者を「監理技術者補佐」(仮称)として施工体制に位置付け、専任配置する場合、監理技術者に兼務を可能とする。

国交省は現在、監理技術者や主任技術者になれる国家資格「施工管理技士」を取得する技術検定で、1、2級の学科試験合格者に付与する「技士補(仮称)」を検討している。監理技術者補佐の要件として、2級施工管理技士で1級の学科試験合格者に付与する1級技士補以上の技術者をイメージ。早期に責任ある立場で現場に従事させることで、若手技術者の技術力向上にもつなげる。

19年度はこれらの制度化をはじめ、担い手確保のための若手技術者の活用方策について検討を進める。現場技術者の配置合理化に向けた事例の調査・検討も実施する。

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