2019/03/06 国交省/円滑な事業承継制度創設へ/業法改正案に規定、業許可の事前申請・認可可能に

【建設工業新聞 3月 6日 1面記事掲載】

国土交通省は、今国会に提出する建設業法改正案に円滑な事業承継制度の創設を盛り込む。合併や事業譲渡をする場合、あらかじめ許可行政庁の建設業許可を受けることで、事業承継の効力発生日に権利義務を引き継げるようにする。個人事業主で事前の承継(相続)にも同様の規定を設けるが、事後の相続では許可取得までの暫定措置として先代のみなし許可を認める。建設業許可の空白期間をなくすことで、円滑な事業承継の実現につなげる。

現行法では吸収合併で事業承継する場合、消滅会社だけが持っている建設業許可を新たに申請する必要があり、手続きは合併完了後に行う必要がある。このため、許可行政庁の審査を経て許可を取得するまで1~4カ月程度の空白期間が生じてしまう。

国交省は地域建設業の持続性を確保する観点から、建設会社が後継者問題などを理由に廃業することなく、必要に応じて円滑に事業承継できる環境を整備する。建設業法改正案に、建設業許可の空白期間をなくして事業が承継できる仕組みの創設を明記する。

建設業許可の事前の審査・認可を可能とする。合併などを予定する場合、あらかじめ許可行政庁の許可を取得することで、事業承継の効力発生日から消滅会社だけが持つ許可を含めて営業できるようにする。現行法では二つ以上の都道府県に拠点を設けて営業する場合、大臣許可が必要になる。合併などで知事許可が複数になる場合は、大臣許可をあらかじめ申請することになる。

個人事業主の事業承継、相続についても事前の審査・認可制度を設ける。さらに個人事業主が突然死去した場合のみなし許可の仕組みも整える。現行法では死去から30日以内に廃業届けを提出し、許可が失効・取り消しとなる。改正案では相続人が事業承継する場合、死去から30日以内に許可申請して認可の可否が判断される間、先代の許可の暫定的使用を認め、営業が続けられるようにする。

許可申請には29の様式の書類を提出するが、事業継承では許可権者が変更する書類だけを求める予定。書類の簡素化は今後検討する。

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