2019/11/29 国交省/関東整備局の難工事指定・実績評価を全国に拡大へ/インセンティブ付与

【建設工業新聞 11月 29日 2面記事掲載】

国土交通省は関東地方整備局で試行している「難工事指定・施工実績評価」の取り組みを、他の整備局などにも広げる。入札不調や不落が懸念される「不人気」工事を難工事に指定。指定工事の成績評定が70点以上であれば、その施工者を「難工事施工実績あり」とし、次回の総合評価で加点評価する仕組みだ。インセンティブを付与し受注意欲の向上につなげる。

関東整備局は不調・不落対策として、難工事指定と施工実績評価の取り組みを2008年に初めて試行。18年度に発注した工事973件のうち、341件(35・0%)を難工事に指定した。競争参加者が少数の維持修繕では225件のうち、163件(72・4%)を指定している。

指定の適用条件はWTO政府調達協定対象工事以外を原則とし、「社会条件」や「マネジメント特性」が厳しく、▽現場が狭く施工条件が厳しい▽搬入路確保が困難▽地盤が悪い▽関係者・関係機関との密接な調整が必要▽現場が点在する-などの工事が当てはまる。

評価対象は河川、道路などで難工事に指定されたすべての工種。過去1年間に指定された工事の成績評定が70点以上の施工者は「難工事施工実績あり」となり、以後発注するすべての関東整備局所管工事の総合評価方式による手続きの際、加点評価する。「企業の技術力(自由設定項目)」と「配置予定技術者の技術力(自由設定項目)」にそれぞれ評価点1点を与える。

国交省の有識者会議「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」(座長・小澤一雅東京大学大学院教授)の下に設置した「維持管理部会」(部会長・堀田昌英東大大学院教授)の会合を27日に開き、難工事に関するインセンティブの付与の方向性を提示。関東整備局の取り組みが、受注意欲の向上につながることから、他の整備局でも実施の検討するとした。

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