2020/07/09 国交省/CCUS料金体系見直しでB案提示/登録料値上げ幅抑え利用料引き上げ

【建設工業新聞  7月 9日 1面記事掲載】

国土交通省は建設キャリアアップシステム(CCUS)の料金体系見直しで新しいイメージを示した。業界団体の意見を反映し、コスト縮減を前提に技能者登録料や事業者登録料の値上げ幅を抑えつつ、現場利用料やID利用料を引き上げる。技能者登録で必要最低限の項目に限る「簡略型」と、全項目を必要とする「詳細型」の2段階登録方式を導入。登録作業の負担軽減策も提示した。

官民で構成する建設キャリアアップシステム運営協議会・運営委員会を7日に東京都内で開催。6月24日の会合で提示した料金体系見直しのイメージ(プランA)に対する委員会メンバーの意見や指摘を踏まえ、新たなイメージ(プランB)を示した。

支出のさらなる抑制を前提にプランBを取りまとめた。値上げが加入のブレーキにならないよう、登録料(技能者、事業者)の引き上げ幅をできる限り抑制する。技能者登録に2段階方式を導入し、本人情報と社会保険、建設業退職金共済(建退共)の項目だけを登録する「簡略型登録」の場合、技能者登録料は現行の2500円を据え置く。全項目を登録する「詳細型登録」の場合は実費を考慮して決定。次回会合までに実費額を提示する考え。資本金別に設定している事業者登録料は現行の2倍に引き上げる。

登録料の上げ幅を抑制した分を、利用料収入で賄っていく。現場利用料は現行3円を10円に増額。事業者情報(現場情報を含む)を管理するために必要となる管理者IDの利用料を月額換算で現行200円から800円に引き上げる。

プランBに対し、委員からは「おおむね妥当」といった意見が出た一方、「(プランBでCCUSが)持続可能なのかどうか」「現場でのカードタッチ数をどうやって伸ばしていくか」などの指摘も上がった。

国交省は職種ごとの加入率といった加入状況など実績を四半期ごとにフォローアップし、システムの健全運営を確認。運営委員会で報告する考えを示した。

国交省の青木由行不動産・建設経済局長は料金体系問題について「国交省には大きな責任がある。さらなる普及、活用に向けてできることをさらに追求したい。皆さんと互いに腹落ちするまで突き詰めて議論させていただきたい」と述べた。

日刊建設工業新聞の購読申し込みは、こちら

戻る