2020/08/19 国交省/DX推進へCCUSデータ利活用の仕組み検討/発注者の閲覧方法など

【建設工業新聞  8月 19日 1面記事掲載】

国土交通省は建設キャリアアップシステム(CCUS)に蓄積されたデータの利活用方策を検討する。建設業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた環境整備の一環。必要なデータを効率的に抽出し、有効活用できる仕組みの構築方法を調査する。発注者が閲覧するための方法や、統計情報の簡易な出力方法などを検討。利便性の増進につながる新たなサービスの創出に向けた将来的な使い方や可能性も探る。

国交省はCCUSの普及・活用に向けた官民施策パッケージを3月に公表した。2023年度からあらゆる工事でCCUS完全実施に向け機能やサービスを拡張。CCUSの付加価値や利便性をさらに高める。

CCUSに蓄積されている技能者、事業者に関する膨大な情報を効率的に抽出し、利活用できる仕組みの構築方法を調査する。技能者、事業者、現場の各情報のうち集計が可能な項目の統計情報の算出・表示や、現場情報を活用し非対面で現場管理できる方法などを検討する。サーバーなどの環境構築を含め、必要な機能の要件を取りまとめる。

発注者の閲覧を可能にするための方法なども調査、検討する。事業者が現場登録した公共工事のうち、一部の情報を発注者が閲覧できることにより、事業者の事務効率化や書類削減につなげる。発注者などが統計情報を簡易に出力し利活用できる環境を整備。建設産業行政の施策や、CCUSのさらなる普及策などの立案に役立てる。

国交省はCCUSに登録・蓄積された情報を活用して、専門工事会社の施工能力を見える化し評価する制度を2021年春に開始する。これに伴い専門工事業団体など評価実施機関が非対面で評価するために必要な情報や、追加すべき情報などを調査する。

このほか、1日で複数職種に携わった場合の就業履歴を手入力以外で可能とする方法、現行の登録申請方法よりも簡易に非対面で申請促進につながる方法など、利便性を高める仕組みも調べる。

データの利活用方策の検討状況を踏まえ、CCUSに蓄積された情報を新たに活用するための仕組みを構築する。ユーザーが利用しやすいような環境を整えて利便性を増進。新たなサービスの創出につなげる。

国交省は「建設技能者の処遇改善及び効率的な現場管理に関する仕組みの生産性向上に向けた調査・検討業務」の委託先を決めるプロポーザル手続きを14日に開始。9月24日まで不動産・建設経済局建設市場整備課で企画提案書を受け付ける。業務規模は17億円を想定。履行期限は2021年3月23日に設定している。

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