2020/08/27 ランドデータバンク/建設業界向けに立て替え・決済サービス、9月1日事業開始

【建設工業新聞  8月 27日 3面記事掲載】

建設業界のビジネスモデルが大きく変わろうとしている。コマツや金融機関などが出資し2019年に設立したランドデータバンク(東京都港区、徳永順二社長兼最高経営責任者〈CEO〉)が9月に事業をスタートする。建設業界に特化した金融プラットフォームの提供を通じ、企業間取引の代金立て替えや決済サービスを展開。支払い先行だったビジネスモデルを改め、建設産業に関わる企業の安定経営につなげる。

サービスは、中小建設会社と取引先である資材会社、協力会社をターゲットに提案する。工事に使用する資機材や現場作業員の労務費をランドデータバンクが立て替える。工事が完成し施主から入金があった後、建設会社は立て替えてもらった代金をランドデータバンクに支払う。資材・協力会社は商品や労務を提供後、最短2週間で代金が受け取れる。

立て替え金額は最大1億円で、立て替え期間は最長10カ月。手数料は建設会社、資材・協力会社とも1・0%(21年3月31日まで)としている。サービスの利用に当たり、担保や債務保証は不要。26日に東京都内で会見したランドデータバンクの徳永社長兼CEOは「ICT(情報通信技術)を導入して受発注情報をデータ化するなど、バックオフィス作業を含めた建設現場の生産性を上げる。多様な資金調達方法を提供することで建設業界を活性化する」とサービス提供の意義を強調した。

21年からは立て替えや決済に加え、少額貸し付けや保険なども提供。金融プラットフォームの機能を拡充する。23年をめどに建設業界共通のプラットフォームに成長させる方針だ。

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