2020/09/09 CCUS料金値上げー業界団体幹部がコメント/容認も条件提示、メリット明確化を

【建設工業新聞  9月 9日 2面記事掲載】

8日に東京都内で開かれた建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会の総会に参加した建設関係団体の幹部から、料金改定を容認すると同時に注文を付ける発言が相次いだ。=1面参照

日本建設業連合会(日建連)の相川善郎CCUS推進本部長は、改善要望として▽すべての団体が一致して、責任をもって普及・活用に取り組むこと▽登録事項の簡素化、申請入力機能の改良、2段階登録の早期実現▽地方自治体、独立行政法人・特殊会社の発注工事の義務化の促進-の三つを挙げた。その上で「普及のブレーキとなることが懸念されるものの、本システムの存続のために必要な値上げであり、やむをえない」との意見を表明した。

全国建設業協会(全建)の中筋豊通労働委員会委員長(島根県建設業協会会長)は、利用料金などの値上げを了承する考えを伝えた。その前提条件として「官民一体となって推進するシステムである以上、さらなる国費の投入が必要だ」と訴えた。普及拡大に必要として、元請、下請、技能者それぞれの実質的メリットの明確化を要望した。

さらに、収支状況の定期的チェック・公表など再発防止策の明示を実行することや公共工事の積算でCCUSに係る経費すべてを見える形で計上することを求めた。郵送による申請が廃止になった後も、都道府県建設業協会に設けているサポート窓口を存続させることも条件とした。運営の安定化に向けた申し合わせのうち、団体ごとに登録やカードタッチの数値目標を定めることに対しては、「都道府県建設業協会ごとにCCUSに対する考え方に温度差があるため、一律の目標設定には反対する」との姿勢を表明した。

全国中小建設業協会(全中建)の土志田領司会長は、「避けて通れない」と料金改定案を容認した。直轄工事で先行する義務化モデル工事を都道府県や市町村に拡大するよう要望。「直轄工事での精算変更時の仕組みを取り入れることが、CCUS普及のカンフル剤になる」と期待を込めた。

日本空調衛生工事業協会(日空衛)の高須康有副会長は「大きな目標は共通認識だが、登録することでどんなメリットがあるかを分かりやすく説明するのが必要だ」と指摘。「登録の手間などもハードルが高い。ここを下げないと登録は進まないのではないか」と改善を促した。

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