2020/09/09 内閣官房国土強靱化推進室・五道仁実次長/3カ年対策後の方向性、予算編成で検討

【建設工業新聞  9月 9日 1面記事掲載】

内閣官房の国土強靱化推進室次長に8月1日付で就任した五道仁実氏が日刊建設工業新聞の取材に応じ、今後の国土強靱化施策の方針を示した。「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」(2018~20年度)が最終年度を迎える中、計160項目の緊急対策事業のうち「152項目はおおむね達成できる」と強調。21年度以降も「(各府省庁の)予算編成の過程で中長期的な方向性を検討していく」と述べた。

昨年の台風15、19号や20年7月豪雨など大規模な自然災害が多発し、強靱化施策の重要性は一段と高まっている。地方自治体などで施策継続への期待が大きいことを踏まえ、五道氏は「計画的に進めるために必要な予算の確保に努めていきたい」と意欲を示した。

強靱化の取り組みに対し国民の理解を醸成していくことも必要と指摘。「3か年緊急対策も含め、これまでの事業効果を分かりやすく丁寧に説明することも重要になる」と述べた。

政府が7月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2020(骨太の方針)」には、強靱化に関して21年度以降、施策の道しるべとなる重要業績指標(KPI)を設定し、計画的に取り組むとの方針が明記された。KPIの検討について五道氏は「事業項目ごとに目標の設定方法も違う」とし、分野ごとに課題の洗い出しが必要になるとの見解を示した。

国土強靱化基本法に基づき、全自治体に対し強靱化の地域計画の策定を求めている。昨秋以降相次いだ大規模災害を受け、策定作業に入る市区町村が急増。こうした取り組みをさらに進めるため、五道氏は「(自治体に)人材が足りない、予算が少ないなど課題に対応した施策が重要だ」と述べ、策定未着手の市区町村を支援していく考えを示した。

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